賞与・福利厚生費・・・科目ごとに異なる経費計上のポイント

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賞与・福利厚生費・・・科目ごとに異なる経費計上のポイント

社員への利益還元などは、きちんとした理由や裏づけがあれば、会社の経費として計上することが可能です。今回は、節税で重要な経費の科目について、科目別の注意点や節税のポイントについてお話しします。

どの費用がどんな経費で落とせるのか

突発的に出てしまった大きな利益にかかる税負担を減少させる目的で、従業員に利益を還元する方法も、すべて福利厚生費で落とせるかというと、ちょっと疑問が残ります。そこで、さまざまな科目別の注意点や節税のポイントについて、簡単に紹介しておきましょう。

 

●給与手当、賞与

利益が出たからといって、一律基本給を上げたのでは翌年以降困りますが、「決算賞与」という形で社員に支払うことはできます。その期の末日までに社員にボーナスの支払額を通知しておけば、期末日から1カ月以内に賞与を支給する代わりに「未払計上」という方法をとることができるのです。


 未払計上というのは、実際には支払っていない経費を決算の時点で経費として計上してしまうこと。たとえば、20日が給料の締め日で翌月末払の場合、実施の給与や社会保険料の支払いは翌月末ですが、当期決算では10日もしくは11日分の未払給与として計上できるものです。

 

●福利厚生費

福利厚生費というと、社員旅行とか年末の忘年会費用などが代表的なものですが、ほかにも経費として計上できるものは数多くあります。「永年勤続者への記念品贈呈」「慶弔見舞金の支給」「社員に食事代を出す」といった経費もすべて福利厚生費となります。注意したいのは、それぞれ一定の条件があるということです。


たとえば、社員に対する食事代の支給の場合の一定の条件とは、次のようなものです。残業して食べる夕食などは、それが高級仕出し弁当であろうと、コンビニ弁当であろうと、経費として100%落とせます。昼食についても「半額以上を社員が負担」「1カ月当たりの企業の負担金が1人当たり3500円(消費税抜き)以内であること」といった条件を満たせば、福利厚生費として計上することが可能です。

 

●広告宣伝費

広告宣伝費といえば、新聞広告やチラシ、カレンダー、名刺などを連想しますが、たとえば、ゴルフ大会に出す賞金や商品なども広告宣伝費になります。広告宣伝費を賢く使うのも、節税法のひとつです。

 

 

●研修・研究開発費

社員旅行にセミナーを設けるだけで、研修費として計上することも可能です。業種にもよりますが、食品販売会社が「市場調査」の名目で、あちこち食べ歩くのも研修開発費の一種になります。

 

●会議費

会議中に豪華な食事や飲み物が出ることもあります。社内での懇親会や忘年会、新年会といった会合も、条件次第では、会議費として計上することができます。ただし、議事録などそれ相応の「証拠」は必要になります。また、社会常識の範疇を超えないことも大切です。

 

●賃貸料

従業員の社宅を借り上げて社宅にする、そんな場合は賃貸料として計上します。ただし、そんなケースでも一定の条件があります。都内の一等地に超高級マンションを借りて、社宅だといってもそれが通る業種、企業と、そうでないところがあります。

各科目を適用する理由と裏付けが大事

このほかにも、保険料、減価償却費、旅費交通費などなど、数多くの科目があります。会社の経費として計上するには、この科目が大きなポイントになってきます。

 

通常の飲食費なども一緒に飲んだメンバーや場所、金額によって、適用できる科目が大きく異なってきます。取引先と一緒に飲めば「交際費」になるかもしれません。社内メンバーだけで飲むと「福利厚生費」、金額が1人当たり5000円以下であれば「飲食費(小額交際費)」、参加メンバーが会社の製品の一般ユーザーだった場合は「広告宣伝費」になるかもしれません。

 

むろん、それぞれの科目に割り振るためには、きちんとした理由や裏づけは必要になります。そうした裏づけさえしっかりしていれば、会社の経費として計上することが可能になるわけです。

 

 

本連載は、2012年12月19日刊行の書籍『スゴい「節税」』から抜粋したものです。その後の税制改正は反映されておりませんので、ご留意ください。

スゴい「節税」

スゴい「節税」

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

増税、デフレ、円高不況…。中小企業が日本の厳しい経済環境を乗り切るには、いかに売上を伸ばすかということ以上に、今ある利益をいかに残すかに注目することが必要でした。その解決策は節税にアリ。「日々の交際費でコツコツ…

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