前回は、日本でも高まる「きれいな歯並び」への関心と、矯正歯科治療の現状を取り上げました。今回は、30代でも遅くない「矯正歯科治療」で得られるメリットを紹介します。

正しい噛み合わせで、しわやたるみが解消!?

近頃では、いわゆるアラフォー(40歳前後)以降に矯正歯科治療を始める人もかなり増えてきました。

 

噛み合わせが悪いと顎に無理な力がかかってしまったり、片側だけで噛むクセがついてしまったりすることが多く、そのせいで顔の筋肉のバランスが崩れやすくなります。

 

すると頬がたるんで見える、ほうれい線が深くなる、しわが増えるなど、いわゆる〝老け顔〟になるリスクが高まります。しわやたるみがあると疲れて見えたり、別に怒っていない時でも、なぜか不機嫌だと思われてしまったりします。

 

年を重ねた姿というのも、それはそれで魅力的な部分はありますが、実年齢より老けて見えたり、暗さや疲労感のようなマイナスの印象を振りまくのはいただけません。多くの人は、本音をいえば「実年齢より若く見られるほうが嬉しい」と感じているものではないでしょうか。

 

矯正歯科治療をすると、「顔の印象が若返った」という人がたくさんいます。矯正歯科治療をして噛み合わせを正しくすると、顔の筋肉のバランスも整い、余計なしわやたるみが解消されることがよくあるのです。

 

笑顔が素敵な人は若々しいイメージをもたれやすいものですが、実際に笑顔が増えることで、表情筋が自然と鍛えられます。それがいいストレッチとなり、肌にハリが生まれるということもあるかもしれません。

 

これは女性に限った話ではないのですが、人間は歳を重ねると、歯がどんどん前のほうに突き出ていきます。これは人間である限り、どうしようもないことです。長年、食べ物を咀嚼しているせいで、歯がだんだんと前に出てきてしまうのです。

 

典型的なおじいさん、おばあさんとはどんな顔立ちかをイメージすると、少しモコッとした口元をもごもご動かしている感じや、口元が前に突き出ている姿を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

 

逆にいえば、突き出ている歯を矯正で正しい位置に戻すことで、若返った印象の顔立ちをつくることができます。歯並びがきれいだと、年齢を重ねても若々しい印象をずっと保つことができるようになります。

 

面白いことに、ある入れ歯の専門家も「歯が出ているとすごく歳をとった印象になってしまうので、入れ歯はできるだけ、理想的な口元になるようにつくります」と言っていました。入れ歯の場合でもそうなのですから、自分の歯を保っている人たちなら、なおさら矯正歯科治療で「歯並びを整えること」がメリットになっていくことと思います。

肩こり改善、生活習慣病のリスク低減などの効果も

加齢がもたらすマイナス点は、見た目だけに及ぶものではありません。デンタルケアが充分でなければ虫歯や歯周病のリスクが高まり、歯が弱って抜けやすくなってしまいます。歯が健康でなければ、消化の負担が胃腸などの内臓に集中し、それが原因で身体のあちこちにも不調が出てくるでしょう。

 

しかし、正しい噛み合わせときれいな歯並びであれば、見た目に若々しい印象を保てるだけでなく、自分の歯でいつまでも、おいしいものをおいしく食べ続けることが叶います。虫歯や歯周病になりにくくなるほか、肩こりや頭痛の改善、生活習慣病リスクの低減など、健康面にも良い影響をもたらすことが期待できます。

 

30歳代を超えてから矯正歯科治療を考えることは、全然遅くはありません。むしろ、その後の人生を長く、楽しく、健康的に過ごすために役立ちますので、大いに推奨したいアクションなのです。

国際人になりたければ英語力より歯を“磨け”

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宮島 悠旗

幻冬舎メディアコンサルティング

歯学博士であり、フリーランス矯正歯科専門医として活躍している宮島悠旗氏。両親ともに歯科医師という宮島氏にとって、口元のケアは当然のエチケットとして育てられてきたといいます。しかしながら世間を見渡せば、口元に気を…

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