「訳あり物件」を避けるための最大の秘訣とは?

今回は、「訳あり物件」を避けるための最大の秘訣とは何か、改めて考えていきます。※本連載では、訳あり物件アドバイザー・南野真宏氏の著書、『訳あり物件の見抜き方』(ポプラ社)の中から一部を抜粋し、各種問題を抱える物件を見抜くための基本ポイントを紹介します。

環境や心理的瑕疵を知るにはヒアリングが有効だが…

環境瑕疵も、心理的瑕疵も、結局もっとも信頼できるのは、そこに住む人からもたらされる情報だと、個人的には感じている。例の帝銀事件の跡地の件も、ネットでは偶然見つけたに過ぎないが、そこに長く住んでいる人なら誰でも知っているというほど、地元では有名な話であった。

 

街の歴史を聞くのは、交番を訪ねるのも一つの手段だろう。

 

もちろん、相手が誰であろうと、人に何かを尋ねようとするならば、自分がどういう者でどういう理由でその質問をするのかを告げるのはマナーというものだろう。また、「なんでもいいから教えてほしい」ではなく、自分でもできる限りの調査をしておき、相手が答えられるレベルでの確認を求めるスタンスが必要だろう。

 

私の場合、「自分は近くの●●というマンションを借りた者である」という素性を明かしたうえで、以前にそこで帝銀事件があったらしいことをネットで知ったこと、「東京都に相談したら地元の交番で確かめられては?」と助言されたことを話し、契約書やネットで印刷した情報なども持参した。

 

交番の警察官が、机の上に街の地図を広げてくれ、私が言った住所が帝国銀行椎名町支店のあった場所と同じであることを親切に確認してくれたのは、私のこういう姿勢に「本気度」を感じてくれたからではないかと思う。

 

しかしながら、交番は不動産情報の案内所ではない。基本的には、近隣住民にヒアリングするのが王道の手段に違いない。

 

地元の不動産屋に、この辺りで物件を探しているという前提で話を聞くのも良いだろう。地元のことは詳しいし、商売相手になる可能性を感じれば、利害関係に差し支えのないレベルで積極的に教えてくれる。むろんテレビドラマのように、物件の近隣に住むおしゃべりな住民がいれば申し分ないが、実際には地元の飲食店の店主やそこの常連客が裏表のない貴重な情報源となるケースが意外に少なくない。

 

とはいえ、見も知らぬ人に、聞き込みの刑事さながら、あれこれ尋ね回ることは、精神的にもハードルが高い。相手からしても、それこそ見も知らぬ相手に、無防備に地域の情報を流すことに抵抗を感じる人も少なくないだろう。

限られた条件の中で、完璧な物件を探すことは不可能!?

また、実際に足を運んで自分の目で確かめるにしても、ヒアリングで情報を集めるにしても、すべての瑕疵の可能性を否定しようとすれば、莫大な労力がかかる。そもそも、過去にも、近隣にも全く問題がなく、法的にも、物理的にも健全な物件を探すこと自体、至難の業である。

 

さらに多くの人には「予算」というハードルや地域的な制限もあるわけで、だとすれば尚更、限られた条件の中で、完璧な物件を探すことは不可能だと言っても過言ではない。あれも嫌、これも嫌と、一々口うるさい客は、不動産業者からサジを投げられる可能性もある。

 

現実的な対応策として最低限やれることは、自分にとって、「容認できる瑕疵」と「容認できない瑕疵」を明確にし、後者の可能性を否定する確認作業を優先的に進めていくことだろう。

 

物件を選ぶ際には、「こういう家がいい」「こういう場所に住みたい」という希望ばかりを意識しがちだが、「こういう物件は絶対に嫌だ」という、自分にとってのNG条件とは何なのかを整理しておくことも忘れてはいけない。他の人にとっては何でもないことでも、自分にとって許せない状況というのもあるかもしれない。

 

つまり、そもそも「自分にとっての訳あり物件とはどういう物件なのか」を自覚することが、訳あり物件を避ける最大の秘訣だといえよう。

 

ただし、十分に予防策を講じたつもりでも、実際に住んでみると、実は訳あり物件だったという可能性は残念ながらゼロではない。私のように、「気をつけていたはずの瑕疵」に結局は苦しめられるということさえある。

 

けれども、「自分にとっての訳あり物件とは何か」という自覚は、その際の対応において、実は大きな武器となる。その詳細は、次の章(※書籍参照)で述べたい。

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訳あり物件アドバイザー

1971年大阪府東大阪市生まれ。高槻高校卒業後、上智大学法学部法律学科に入学。上京時、不動産屋に薦められるがまま、南阿佐ヶ谷の割高な半地下ワンルーム物件を借りてしまった苦い経験から宅建資格を取得。 大学卒業後は勤務先にて小売店舗の物件開発に従事するも、公私で訳あり物件に遭遇してしまう。なかでも椎名町の帝銀事件跡に 建てられたマンションを知らずに借りたことから調停・裁判を経験し、訳あり物件の解約に必要な「事前ワード」などの大切さを痛感。 仲介業者でない立場から、訳あり物件の知識と経験を伝える活動を始める。


【テレビ・ラジオ出演】
『ビーバップハイヒール』(朝日放送)・・・「知らない人は損をする!訳アリ物件の見抜き方」
『GOLD RUSH』(J-WAVE)・・・「トラブルに巻き込まれないための物件探しテクニック」
『荒川強啓デイ・キャッチ』(TBSラジオ)・・・「最新・訳あり物件事情」

【新聞・雑誌・TV・ネット取材】
『日刊SPA』・・・「訳あり物件から身を守るたった一つの方法」
『弁護士ドットコム』・・・「訳あり物件を見抜く為のポイント」
『東京スポーツ』・・・「訳あり物件下調べのコツ」
『週刊女性』・・・「ダマしの現場告発スペシャル 欠陥住宅の見抜き方」
『日刊ゲンダイ』・・・「訳あり物件 絶対につかまされない知恵と眼力」
『週刊現代』・・・「「ワケアリ」で得をしよう」
『ちちんぷいぷい』(毎日放送)・・・「石田ジャーナル・木曜法廷/事故物件で損害賠償」

著者紹介

連載買主・借主必見!「訳あり物件」の徹底回避術

本連載は、2015年11月2日刊行の書籍『訳あり物件の見抜き方』から抜粋したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

訳あり物件の見抜き方

訳あり物件の見抜き方

南野 真宏

ポプラ社

宅建の資格を持つ「訳あり物件」の第一人者が、具体例を挙げながら、他人事でない実態や見抜き方、回避法を紹介。自殺・他殺等の「事故物件」から土壌汚染、耐震不足、騒音振動、日照、迷惑住民…トラブルに巻き込まれないため…

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