今回は、購入予定物件の「心理的瑕疵」を見抜くためのチェックポイントを取り上げます。※本連載では、訳あり物件アドバイザー・南野真宏氏の著書、『訳あり物件の見抜き方』(ポプラ社)の中から一部を抜粋し、各種問題を抱える物件を見抜くための基本ポイントを紹介します。

物件の過去をリサーチできる「事故物件公示サイト」

例えばある部屋で殺人事件が起こった場合、完璧にクリーニングを施したとしても、「殺人事件が起きた部屋」という過去を消すことはできない。しかしながら、「過去」の影響は時間とともに薄まるという考え方が判例でも一般的である為、「自殺や他殺・事故などによる死者が出ている」などといった嫌悪すべき過去がある物件でも、告知義務が永久にある訳ではない。

 

これに対し最近は、殺人事件や火災による死亡事故など嫌悪すべき過去があった物件の住所と建物名を写真入りで公開している「事故物件公示サイト」の存在も有名になり、自宅にいながらにして事故物件の情報収集も可能になった。私自身もそうであったが、ネットサーフィンによって偶然、思わぬ情報に遭遇することもある。

ネットの情報は氷山の一角

ただし、そういう情報にヒットしなかったからといって、嫌悪すべき過去がないと安心するのは禁物である。また、ネットは情報収集に欠かせないツールである一方、そこにあふれる情報は玉石混交である。過信するとあとで痛い目にあうこともあるから注意が必要だ(これも私自身の経験による)。

 

そもそも自殺や他殺、孤独死などの嫌悪すべき事実は、遺族にとっても、売主・貸主や仲介業者にとっても隠したい事実である。もし自分がマンションのオーナーで、貸している部屋に自殺者が出たら、出来る限り病院で亡くなったことにしたいだろう。事故物件として自分の物件が認知され、借り手がつかなかったり家賃を下げるのは可能な限り避けたい。遺族にしても、補償はしたくないし体面もあるので自殺にはしたくない。仲介業者もその方が仲介し易い。となると、自ずと嫌悪すべき過去はなかったことになる・・・。

 

顕在化している物件は、期せずして表に出てしまったものと考えるのが自然であり、全体数からすると、あくまで氷山の一角だろう。ネットの情報が決して全てではないのだ。そういう意味では、アナログながらも、近所の人や近くのお店でさりげなく聞いてみるのが、心理的瑕疵物件の一番確実な予防法なのかもしれない。

本連載は、2015年11月2日刊行の書籍『訳あり物件の見抜き方』から抜粋したものです。稀にその後の法律、税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

訳あり物件の見抜き方

訳あり物件の見抜き方

南野 真宏

ポプラ社

宅建の資格を持つ「訳あり物件」の第一人者が、具体例を挙げながら、他人事でない実態や見抜き方、回避法を紹介。自殺・他殺等の「事故物件」から土壌汚染、耐震不足、騒音振動、日照、迷惑住民…トラブルに巻き込まれないため…

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