S&P社のデータから見える米国経済の回復傾向
前回まで5回にわたり、ワイキキの代表的なホテルレジデンスであるTrump International Hotel Waikiki Beach walkと、The Ritz-Carlton Residences, Waikiki Beachの2つのプロジェクトについて詳しく解説してきましたが、今回からは少しホテルレジデンスそのものから離れ、米国全体の不動産市場、またハワイの不動産市場について比較しながら見ていきたいと思います。
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米国における住宅価格の水準を示す指数として、一般的に、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)社が発表している、「ケース・シラー住宅価格指数」というものが使われています。2000年1月の指数を100として、全米の調査対象地域の一定期間における住宅再販価格データを集計したもので、対象地域のグループにはいくつかありますが、今回は主な10大都市圏(ボストン、シカゴ、デンバー、ラスベガス、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンディエゴ、サンフランシスコ、ワシントン)での指数から算出されたデータを見ていきます。
[図表1]主要な十大都市から算出したケース・シラー住宅価格指数
2000年から2007年までの7年間で、100だった指数は225まで上昇しました。これは米国の景気とも連動していました。ただ、この後から少しずつ指数は下降し始め、2008年9月のリーマンショックを迎えます。
そこからは、急上昇したのと相反するように指数は下降し続け、2009年以降は150前後で動くようになりました。2013年頃よりゆるやかに上昇を見せ、2015年時点では187となりました。これは、長い低迷期間を抜け出し、米国の景気が回復していることを示唆していると言えます。
値動きに違いがある、オアフ島とそれ以外の3島
では、ハワイの住宅価格はどのように移り変わっていたのでしょうか。いくつかの島から成り立っているハワイ州ですが、今回は主要なオアフ島、マウイ島、ハワイ島、そしてカウアイ島の4つの島について見ていきます。ハワイと一括りに言っても、実はオアフ島とその他の3島は異なった動きを見せています。
なお、こちらはケース・シラー指数ではなく、平均販売価格にて比較していきます。この価格は、実際に売買された物件価格の平均値をとったものになります。
★マウイ島、ハワイ島、カウアイ島
それぞれのピーク地点に多少の違いはありますが、下の図を見てもわかるように、米国本土と似た動きをしてきました。ケース・シラー指数でも数値の高かった2007年から2008年にかけて価格のピークを迎え、その後は2011年頃まで下降、そしてゆるやかな上昇を見せています。
[図表2]マウイ島、ハワイ島、カウアイ島それぞれの平均価格の動き
★オアフ島
こちらはオアフ島の平均価格の動きです。赤の線はSingle Family Home (SFH)、つまり戸建ての価格、白の線はCondo、コンドミニアムの価格を示しています。2000年から2007年にかけて上昇している点は似た動きをしているのですが、その後の動きには大きな違いがあります。
[図表3]オアフ島の平均価格の動き
米国本土、また他の3島の場合には2007年以降、2003年頃と同水準の数値にまで下降しているのに対し、特にコンドミニアムの価格に関しては、ほぼ下降はなく2007年の平均価格を保ったあと、2013年頃からゆるやかに上昇しています。
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次回は、なぜオアフ島は米国本土やマウイ島、ハワイ島、そしてカウアイ島の動きと異なった動きをしているのかについて見ていきたいと思います。