前回は、先祖代々の土地を活用した駐車場経営の概要を説明しました。今回は、駐車場経営のメリットについて見ていきます。

意外に見逃せない「時間稼ぎになる」というメリット

駐車場経営に関してコンサルティング事例はたくさんあるのですが、そうした事例は、積極的な土地活用というより消去法で選ぶような消極的な面があるので、ここでは触れません。ただし、駐車場経営をしている人の多くが「時間稼ぎになる」ということを認めています。このことも見逃せないメリットです。

 

不動産業者としては、「土地が余っている」と聞けば「アパートやマンションを建てませんか?」と営業するのは、いわば商売の道理です。しかし、実際にアパート経営に乗り出そうとすれば、それなりの投資が必要になってきます。それに対して駐車場経営は、当面、出ていくお金がアパート経営よりはるかに少なく、「何が最もふさわしいか」をあらためて考える“時間稼ぎ”になるのです。

 

その時間のなかでは、資産家自身の健康や境遇が変わることもありますし、経済状況が好転したり悪化したりすることもあります。それらの要因にどのように対処すべきか、勉強する時間を持つこともできるのです。

土地の有効活用は長い時間軸で考えるものだけに・・・

不動産の有効活用は、時間軸のとても長い取り組みであり、今日、明日にすべてを決めなくてはならないといったものでもありません。コインパーキングだと大きな売り上げを得られるとはいえず、月次で見れば赤字のときがあるかもしれません。ところが、年間を通して判断し、その土地の固定資産税分を賄えればそれで十分という考え方もできます。アパート経営のように、業者に土地代を無視して利回り計算されてしまうようなこと、すなわち騙されてしまうようなこともありません。

 

前回で説明したように、専門業者による一定期間の一括借り上げでは、賃料保証として、赤字分のリスクを保証してくれるところもあります。一括借り上げではしっかりとしたシミュレーションを立てて取り組むので、解約する場合も、その手続きに沿って行えば安心です。

 

「時間稼ぎ」という点では、「相続税を延納にしてもよいので駐車場にした土地が高く売れる時期を待つ」という対応もできるでしょう。高く売却できたときに、相続人がそのお金で相続税を全額納めればよいのです。

 

特に、不動産の価格は、様々な価格形成要因、その他の売り手の事情、買い手の事情等により上がったり下がったりしますから、売る場合は経済状況の良いタイミングを選ぶ必要があります。私は、東京オリンピックが開催される2020年の2年前くらいまでは良い状態が続くのではないかと考えています。

本連載は、2014年3月20日刊行の書籍『塩漬けになった不動産を優良資産に変える方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

塩漬けになった不動産を 優良資産に変える方法

塩漬けになった不動産を 優良資産に変える方法

相馬 耕三

幻冬舎メディアコンサルティング

バブル崩壊以降、買ったはいいものの収益を生んでいない賃貸物件や、地価の暴落でほったらかしになっている土地を抱える不動産オーナーは多くいます。ソニー生命の不動産整備などを実現してきた経験豊富な不動産コンサルタント…

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