「500万円×法定相続人の数」が非課税枠に
【特例2】 生命保険の非課税枠を活用する
生命保険の死亡保険金については、「遺族の生活を保障する」という目的から、一定の非課税枠(「500万円×法定相続人の数」)が定められています。
もし、相続税の実効税率30%で、1000万円を相続したとすると、概ね300万円を税金でとられ、手取りが700万円になります。そこで1000万円で保険に加入し、相続人が二人とすれば、500万円×2=1000万円の非課税枠が使えるため、現金から保険に替えるだけで単純計算で300万円得するというわけです。
保険に加入しさえすればいいという点では、他の相続対策に比べても、お手軽な手法といえます。
保険料を生前に支払うことで相続財産も圧縮可能
また、死亡保険金として現金が支払われるため、納税資金として活用しやすいのもメリットです。加えて受取人を指定できるため、遺産分割対策としても有効で、保険料を生前に払うことで、相続財産を減らせるのも特徴です。
現役時代には生命保険に入っている人も、リタイア時期にあたる60歳ぐらいで満期を迎えているケースが多いと思います。「60歳を過ぎたら、新規加入するのも難しいのでは」と思いがちですが、90歳まで簡単な告知で入れる終身保険(一時払い)もあります。てっとり早く相続財産の現金分を減らしたいと考えるなら、リタイア後からでも保険加入を検討するのも手です。
また、保険の加入の際に、法人を活用すれば、より節税効果が上がるのはすでに申し上げた通りです。ただし、ケースによっても、どの保険が有効かは変わってきます。プロの意見を参考に、不動産の資産管理法人を作ったら、同時に生命保険の加入も考えてみてはいかがでしょうか。