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マレーシア―シンガポールの合同国家プロジェクト
マレーシア南部の都市、ジョホールバルで進む、マレーシア―シンガポールの合同国家プロジェクト「イスカンダル計画」。これは、香港と中国の深センの成功例を参考に、両国が互恵関係を深めるべく、シンガポールの国土面積の約3倍にも及ぶ広大な土地を、2006 ~25年にかけて再開発するものです。この合同国家プロジェクトには、世界各国の投資家から大きな関心が寄せられています。
イスカンダル計画による重点開発エリア
計画を所管するイスカンダル地域開発庁(IRDA)は、2006年時点で160万人だった域内人口が、2025年には300万人へと増加し、域内の1人当たりGDPも倍増すると予測しており、計画の成功が不動産市場に与えるインパクトは非常に大きいものになると考えられます。
総投資額3830億リンギ(約11兆1000億円)に上るビッグプロジェクトですが、IRDAによると累積投資額は2014年末時点で1462億リンギに達し、第2フェーズが終了する2015年末の目標である1200億リンギを前倒しで達成するなど、順調な進捗となっています。
第2フェーズまではインフラ整備や不動産開発に重点が置かれてきましたが、これから始まる最終フェーズでは企業誘致などに軸足が置かれる見込みで、イスカンダル計画の成功を占う重要な局面に入ろうとしています。
実需目的で購入するシンガポール人の多さも特徴
ジョホールバルの不動産市場には、イスカンダル計画の成功を期待した投資マネーが多く流入していますが、一方でシンガポール人による実需目的での購入が多いのも特徴のひとつです。
自国の不動産が東京以上に高騰してしまっている中で、シンガポールの中心部まで車で最短30分程度でアクセスできる距離感にあり、同水準の物件を1/5以下で購入できるジョホールバルでの郊外生活を、真剣に考える人が増えているようです。
現状ではインフラ面などで課題はありますが、両都市を結ぶ橋「コーズウェイ」「セカンドリンク」に続く第3の橋の建設が計画されているほか、ジョホールバル~シンガポール間を結ぶ高速輸送システム(RTS)の敷設計画も2018年の開通を目標に進んでおり、イスカンダル計画によってお互いの距離は確実に近くなっていくと考えています。
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