今回は、葬儀費用の補助金の概要と、手続き方法について説明します。※本連載は、税理士で、小関勝紀税理士事務所代表、株式会社インターティ・エス・オー代表取締役の小関勝紀氏が監修した『夫にもしものことがあったとき妻が読む本』(大泉書店)から一部を抜粋し、夫が亡くなったときに妻が行う手続きについて解説します。

「健康保険加入者」には、一律5万円の埋葬料が支給

<期限 2年以内>

 

①夫が健康保険に加入していた場合

 

会社員など、健康保険加入者が亡くなったときは、その家族に一律5万円の「埋葬料(費)」が支給されます。すでに退職して資格を喪失しても、失効から3カ月以内であれば請求することができます。

 

「埋葬料」は死亡の事実があれば、葬儀を行わなくても支給してもらえます。申請期限は、死亡した日の翌日から2年以内です。

 

●申請窓口は協会けんぽまたは年金事務所

 

手続きは、勤務先を管轄する全国健康保険協会(協会けんぽ)の支部、あるいは年金事務所の窓口または郵送で行います。業務上や通勤途中の災害で亡くなった場合には、労災保険から「葬祭料」がもらえます。その場合は、労働基準監督署に申請します。いずれも、勤務先で手続きをしてもらえる場合もあるので、会社に問い合わせましょう。

 

※本書では「印鑑」とは認印または実印のことをさします。
※本連載、また本書では「印鑑」とは認印または実印のことをさします。

「国民健康保険加入者」への支給額は市区町村で異なる

②夫が国民健康保険に加入していた場合

 

自営業従事者や農業従事者などの国民健康保険加入者が亡くなったときは、葬儀を行った人に対して「葬祭費」が支給されます。

 

健康保険と違い、葬儀を行わない場合は支給対象になりません。申請には葬儀代であることがわかる領収書の原本が必要です。火葬のみや会食代のみの領収書では受け付けてもらえません。

 

国民健康保険は市区町村が運営しているため、各市区町村により支給額が異なります。おおむね3~5万円が多いようですが1万円という市区町村や、東京23区のように7万円支給する自治体もあります。

 

●申請窓口は市区町村役場の国民健康保険係

 

手続きは、各市区町村役場の国民健康保険を取り扱う窓口で行います。申請には、夫の保険証、印鑑、葬儀の領収書などが必要です。

 

これ以外にも役場で行う手続きは多いので、夫の保険証の返却、世帯主変更、戸籍謄本・住民票の取得など、できそうなものは、少しでも一緒にすませておくと、手間が省けます。

 

夫にもしものことがあったとき妻が読む本

夫にもしものことがあったとき妻が読む本

小関 勝紀

大泉書店

もしも夫に何かあったら・・・ 病気や事故、突如としてかけがえのない人に先立たれてしまったとき――心の支えを失い、今後の生活設計について不安も多い渦中、妻が進める手続きについて解説します。 生活に必要な名義変更…

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