今回は、夫が死去した際の、住居、自動車、株式等の「名義変更」の手続きについて見ていきます。※本連載は、税理士で、小関勝紀税理士事務所代表、株式会社インターティ・エス・オー代表取締役の小関勝紀氏が監修した『夫にもしものことがあったとき妻が読む本』(大泉書店)から一部を抜粋し、夫が亡くなったときに妻が行う手続きについて解説します。

賃貸契約の名義変更は、まず家主や管理会社に相談を

賃貸住宅や月極駐車場などの契約は、借主が亡くなっても期間満了日まで続きます。同居していた妻や子どもは、そのまま同じ家に住み、駐車場も継続して使用できます。

 

ただし、家主や管理会社には早めに連絡を取りましょう。契約書は契約期間満了まで有効ですが、公営住宅など、すぐに名義変更の手続きが必要な場合もあります。また、連帯保証人の変更などがある場合も、契約書の書き換えが必要になります。家主や管理会社と相談の上、手続きを進めましょう。

 

 

●実家に戻る、または転居する場合は、現在の契約を解除する手続きを

 

契約書に従って退去の手続きを取りましょう。一般的に契約途中の退去の場合は、貸主へ退去の30日前に解約の申し入れを行います。すぐに退去する場合は、30日分の家賃を支払えば、契約を解除できます。退去後はハウスクリーニング代や原状回復費用を清算し敷金の返還を受けます。

 

●持ち家に家族が引き続き住む場合は、早めに登記の変更を

 

基本的に土地・建物は遺言書または遺産分割協議書をもとに売却したり、登記の変更を行います。妻子が相続して引き続き住む場合は、早めに最寄りの法務局で所有権移転の登記手続きを行いましょう。手続きには、故人と相続人の戸籍謄本、住民票、固定資産評価証明書など多くの書類が必要です。

自動車・株式・不動産等は、相続で権利を移転させる

不動産や預貯金だけでなく、故人名義の自動車、株式や公社債などは、相続対象となる財産の一部です。

 

これらの名義を変更するには、誰がその権利を引き継ぐかがわかる「遺言書」か「遺産分割協議書」が必要になります。「遺言書」がない場合は、早めに相続人同士で話し合いをしましょう。

 

名義変更には、申請書のほか戸籍謄本や住民票などが必要になりますので、あらかじめ必要な枚数を確認し、役所でまとめて取っておくと便利です。

 

夫にもしものことがあったとき妻が読む本

夫にもしものことがあったとき妻が読む本

小関 勝紀

大泉書店

もしも夫に何かあったら・・・ 病気や事故、突如としてかけがえのない人に先立たれてしまったとき――心の支えを失い、今後の生活設計について不安も多い渦中、妻が進める手続きについて解説します。 生活に必要な名義変更…

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