故人が自動車事故の加害者の場合、遺族に賠償責任が…
前回に引き続き、故人の死因別の手続き方法について紹介します。
●自動車事故の加害者の場合
交通事故の責任が故人にあり、被害者がいる場合には、故人の相続人に損害賠償責任があります。
被害者が亡くなった場合には、「生きていたら得られた所得」や「死亡に至るまでの治療費」などを損害賠償として請求されます。また被害者が存命の場合も、治療費などを支払わなくてはなりません。
損害賠償額が故人の自賠責保険や任意保険でまかなえる金額であれば遺族の負担はありません。しかし、保険金の支払い限度額を超えたときは、超えた分を相続人の財産から支払うことになります。
●相続放棄をすると賠償義務はなくなる
損害賠償額が支払えないときは、相続放棄をすれば支払い義務はなくなります。
相続放棄をするには、相続の開始を知ってから3カ月以内に家庭栽培所に相続放棄の申述を行わなければなりません。いったん、相続放棄をするとプラスの財産があった場合も相続できません。
損害賠償を行っても財産が残る可能性がある場合は、限定承認を申請する方法もあります。この場合は、故人の財産の範囲内で賠償を行います。
●示談になった場合は、しっかりと話し合い双方納得のいく解決を
自動車事故では、多くの場合、賠償金額が加害者と被害者の示談交渉で決まります。交渉に対する知識がない場合、トラブルになることも少なくありません。不利な結果にならないよう、冷静な対応を心がけましょう。
<示談のポイント>
●すぐに結論を出さず、落ち着いた状態で考える
●交通事故に詳しい弁護士のアドバイスを受ける
●納得できないときは、裁判所で調停や訴訟する方法も
自然災害で亡くなると、遺族に災害弔慰金が支払われる
●自然災害で亡くなった場合
地震、土砂崩れ、洪水、津波などの自然災害で亡くなった場合、申請すれば市区町村から「災害弔慰金」が支給されます。
支給の対象は、故人の配偶者、子、父母、孫、祖父母または死亡当時同居し生計を同じくしていた兄弟姉妹の範囲です。
金額は、故人が生計を維持していた場合は500万円、そのほかの場合は250万円です。自然災害で重度の障害が残った場合も、「災害障害見舞金」として、生計維持者には250万円、それ以外の場合は125万円が支給されます。
●1市区町村で5世帯以上が滅失した災害が対象
ただし、すべての自然災害が弔慰金の対象となるわけではありません。
1市区町村において5世帯以上が滅失した災害など、災害規模の指定があります。ほかに被害がなく、故人一人だけが自然災害の犠牲者という場合は、適用外となります。
●災害で行方不明となった場合、災害後3カ月を過ぎたら弔慰金を支給
自然災害で行方不明になった場合、災害後3カ月を過ぎても見つからないときは、行方不明者が死亡したと推定して弔慰金の支給を受けられます。金額は死亡者と同額で、生計維持者には500万円、それ以外は250万円です。