前回は、価格ではなく「付加価値」で勝負した日本企業の成功事例を紹介しました。今回は、海外進出における現地「販売代理店」との付き合い方を見ていきます。

大きく二つのタイプに分けられる販売代理店

前回の続きです。

 

ひと口に海外進出といっても、いろいろな形態があります。すでにできあがっている製品を売りたいのであれば、海外の販売代理店(協力パートナー)を見つけて、そこに現地営業を任せて売ってもらうのが通常の形態になります。

 

もちろん、海外の顧客に対して直接販売することもできますが、初めての海外進出の場合、いきなり顧客を見つけるのは難しいでしょう。現地の事情に通つう暁ぎょうしている、販売代理店を通したほうが、販売チャネルの確保や顧客対応などがスムーズになります。

 

このとき、販売代理店というのは、ディストリビューターとセールスレップの2種類に大きく分けられます。ディストリビューターとは、製品をまとめて卸価格で購入し、それを好きな価格で好きなように販売していく業者のことです。

 

一方、セールスレップにあたる販売代理店は、自社で在庫を抱えることなく、ただ販売代行の営業だけを行います。ものが売れた場合は成功報酬として何%かのコミッションを得るビジネスで、多くの販売代理店はこのセールスレップの形態をとっています。

 

相手がディストリビューターの場合は、ディストリビューターに買ってもらった時点でまとまった売上と利益が確定します。セールスレップの場合は、代理店と契約をしても、まだ一つも売れていないことになります。その後に、セールスレップが営業を行って、顧客を見つけてくれるのを祈るだけです。

アフターフォローの有無なども考慮して検討を

ディストリビューターのほうが良いように見えますが、そうとも限りません。一般に、ディストリビューターの場合は、在庫を抱えるリスクに見合うだけの低価格を要求してきますし、ライバル企業を排除するために、一定の地域における販売独占権の付与も望んできます。また、メーカーはディストリビューターが誰にいくらでどのように商品を売るか、なかなか注文をつけることができません。

 

セールスレップの場合は、あくまでも販売代行ビジネスなので、価格や売り方についてはメーカーの意見が尊重されます。

 

アフターフォローやカスタマイズが必要な商品の場合は、ディストリビューターよりもセールスレップを選んだほうが、コントロールが利きやすいといえるでしょう。ブランドイメージを守ることも、セールスレップのほうが容易です。

 

技術供与とか、OEM(相手先ブランドによる生産)とか、現地企業と協力して販売していく形態もあります。

国内頭打ち商品で利益を生み出す 海外進出戦略

国内頭打ち商品で利益を生み出す 海外進出戦略

田中 義徳

幻冬舎メディアコンサルティング

国内では売上・利益ともに頭打ちで生き残りが厳しく、海外進出を試みても撤退を余儀なくされる――中小企業はどこに活路を見出せばいいのでしょうか。 海外のマーケットでは、日本国内と同様のマーケティング、営業手法で成果…

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