自社株の評価方法・・・「類似業種比準方式」とは?

前回は、事業の後継者として知っておきたい「自社株」の評価について解説しました。今回は、自社株の評価方法である「類似業種比準方式」について見ていきます。

会社の規模によって異なる評価方法

類似業種比準方式とは法人の利益・純資産・配当の3つの要素を上場会社の水準と比較(比準)して評価する方法です。

 

純資産価額方式と類似業種比準方式のどちらで評価するのかは、個々の会社の規模に応じて変わります。具体的には、大会社、中会社、小会社のいずれかに該当するかによって、評価方法が異なることになります。その詳細については、下記図表を参照してください。

 

[図表]会社規模による自社株の評価方法

「非上場株式評価の特例」に注意

なお、以上のような原則的な評価方法の例外として「非上場株式評価の特例」が存在します。すなわち、以下のA、B、C、Dに該当する場合などには、類似業種比準方式は使えず、純資産価額方式で評価しなければなりません。

 

A 比準要素1の会社

純資産・利益・配当のうち2つがゼロ(過去3期で判定)

 

B 株式保有特定会社(略称・カブトク)

保有資産の時価の50%以上を株式等が占める。いわゆる持株会社は該当することが多い

 

C  土地保有特定会社(略称・トチトク)

保有資産の時価の70%以上(中・小会社は90%以上)を土地が占める会社

 

D  開業後3年未満の会社、開業前または休業中の会社、清算中の会社など

 

この「非上場株式評価の特例」は、事業承継にあまり強くない税理士などは、つい見落としてしまうかもしれません。特例が適用されると、税金の額が大きく変わることになるので、注意しておきましょう。

 

[図表]カブトク特例の適用を忘れたケース

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    株式会社わかば経営会計 代表取締役
    公認会計士・税理士・中小企業診断士

    1984年、兵庫県神戸市出身。2006年、京都大学経済学部卒業、在学中に公認会計士試験に合格し、大手監査法人・中堅税理士法人での勤務を経て、2013年に大磯経営会計事務所(現「わかば経営会計」)創業。「中小企業の未来を創造する」を経営理念に、事業承継・M&A企業再生といった中小企業向けの財務・経営コンサルティングおよび税務サービスを展開。

    著者紹介

    株式会社わかば経営会計 代表取締役
    公認会計士・税理士・中小企業診断士

    1986年、千葉県松戸市出身。2009年、慶應義塾大学経済学部卒業、在学中に公認会計士試験に合格し、大手監査法人、中堅税理士法人での勤務を経て、2013年より千葉県中小企業再生支援協議会に出向。数多くの中小企業再生支援業務(経営改善支援、金融調整業務等)に従事。2015年4月に株式会社わかば経営会計代表取締役に就任。

    著者紹介

    連載親族内の事業承継を成功に導く「財産」の引き継ぎ方

    本連載は、2016年10月21日刊行の書籍『「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド

    「親族内」次期社長のための失敗しない事業承継ガイド

    大磯 毅/中山 昌則

    幻冬舎メディアコンサルティング

    戦後70年を迎え、多くの中小企業に降りかかっているのが「事業承継」の問題です。 しかし、現社長のなかには景気の低迷、適当な人材の不在などの理由から廃業を考える人が少なくありません。また、社長の息子や親族などの後継…

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