100万円を1年間預けても、利息はたったの10円・・・
前代未聞の「マイナス金利」という言葉が聞かれるようになりました。「マイナス金利」という言葉の意味を正しく理解していますか。
各国は、景気を回復させるために積極的に金融緩和を行っています。金融緩和で金利を引き下げ、市中にお金が流れるようにするわけです。つまり金利を引き下げすぎたために、ついにマイナス金利が発生してしまったということです。
「マイナス金利」とは、理屈上は「預金者が利息を払わないといけない」という意味になります。しかし、それは現実問題として、まずあり得ないことです。
金利はプラスにとどまり続けるはずです。ただし「プラス」といっても、限りなくゼロに近いプラスです。たとえば銀行の預金金利が普通預金で「0.001%」という場合、「100万円を1年間預けても利息が10円」ということになります。
お金を引き出す際の手数料で、預金がマイナスに!?
このような低すぎる利息で銀行に預けるメリットは、何かあるでしょうか。銀行に預けることで、逆にデメリットが生じることもあります。
それは引き出す際の手数料です。同じ銀行同士ならまだしも、違う銀行間では取引のたびに数百円単位の手数料が発生することになります。普通預金の利息など、1回手数料を支払えば、相殺されてマイナスへと転じてしまいます。
また、詐欺事件を予防するという観点から、銀行によっては100万円以上のお金を顧客が下ろす際に、警察に連絡されることがあるそうです。
自分の口座から下ろすだけなのに、警戒されてしまうという大変な時代になりました。このような流れを受けて、富裕層などの間では銀行離れが進み、「見えない金庫」がよく売れているとも聞きます。見えない金庫とは、家具の中に作り込むというタイプの製品だそうです。
富裕層の行動からは、時代の少し先が読めることが多いものです。「銀行に大金を預けて安心する」という考えは、少し疑ってみてください。
<ポイント>
低すぎる利息の銀行には、安易にお金を預けてはいけない