今回は、外国人労働者の在留資格の更新のタイミングや、万が一更新しなかった場合の罰則などについて見ていきます。※本連載は、至誠法務労務サポート代表、社会保険労務士、行政書士の井出誠氏が、経営者が外国人を雇用する際の基礎知識を解説します。

在留期間の更新申請は、在留期間の満了日までに行う

外国人に与えられる在留資格は、一度付与されれば未来永劫その在留資格で日本に在留できるというものではありません。在留資格が無事に付与されますと、その与えられた在留資格に応じた活動を、与えられた在留期間内に限り行うことが認められたことになります。

 

在留期間の長短は人それぞれ異なり、1年の人もいれば3年や5年を与えられる方もいます。在留期間及び在留期間の満了日は、許可時に付与される在留カードに記載されていますので、容易に確認できます。

 

与えられた在留期間を超えて日本に在留しようとした場合、その在留期間の満了日までに必ず在留期間の更新申請を行う必要があります。この手続きを怠り、在留期間を超えてもなお日本に在留していれば、それは不法残留や不法滞在ということになります。

 

不法滞在者となった者をそのまま雇い続ければ、雇い主にも不法就労助長罪が課されてしまいますので注意が必要です。在留期限が切れていたなんて知らなかったでは済まされませんので、外国人労働者の在留期間及び満了日は、しっかり事業主が把握しておく必要があります。

更新申請は満了日の3か月前から、入管で受け付け

さて、在留期間の更新申請は、いつからいつまでの間に行うべき手続きでしょうか。入管が受け付けてくれるのは、おおむね在留期限満了日の3か月前からです。

 

いつまでに行うべきかですが、これは在留期間内に行えばよいとなっていますので、最悪、在留期間の満了日までということになりますが、書類の不備なども考慮に入れますと、なるべく早めに申請する必要があるでしょう。

 

ここで一つ気になるのが、更新申請をしたら、やはりそれに対して審査が行われますので、即日更新許可が出るわけではないということです。つまり、在留期限満了日直前に更新申請を行った場合、その結果が出る前に、その方に与えられている在留期限が過ぎてしまうことが予想されます。

 

そのような場合、在留期限が過ぎてから結果が出るまでの間は在留期間外となってしまい、不法残留ということになるのか? と、ご心配される方もいるかもしれません。これについては、更新申請に対する処分が在留期間の満了日までにされないときは、その在留期間の満了後も、当該処分がされる日又は従前の在留期間の満了日から2か月経過する日のいずれか早い日まで、引き続き当該在留資格を持って日本に在留することができるというルールになっていますので、ご安心ください。

手続きは労働者本人がすべきことだが…

最後に、外国人労働者の在留資格の更新に関する手続きは、だれが行うべき手続きでしょうか。やはり就労の在留資格の場合、労働者を雇い入れている雇い主が行うべきでしょうか。

 

これに関しては、原則、外国人労働者ご本人が地方入国管理局に出頭して申請する必要があるという決まりになっています。だからといって、雇用主がわれ関せずというわけにはいきません。雇用主がしっかり外国人労働者の在留期間を管理し、更新申請を早めに行うよう労働者に促したり、場合によっては専門の行政書士等に手続きを依頼して円滑に更新申請を行うことで、引き続き外国人労働者が働き続けられる環境整備を行う必要がありますね。

本連載は書下ろしです。原稿内容は掲載時の法律に基づいて執筆されています。

※外国人就労ビザ相談センター八王子
http://www.visa802.com/

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