Q3「なぜトレーダー・ジョーズで働きたいのか?」
「会社員として輝かしいキャリアを積み上げてきたのに、なぜトレーダー・ジョーズで働きたいのか?」「長く続けてきた会社でのデスクワークから一転して、体を使う仕事を楽しめるか?」「ここで一緒に働く同僚たちはグーグルで出会ってきた人たちとは異なるが、その違いは課題にならないか?」という質問も受けた。
これはおそらく私が特殊な状況にあったので受けた質問なのだと思う。
「レイオフの通知を受け取ったあと、30年間の会社勤めでは挑戦できなかったけれどいつかぜひやってみたいと思っていたことを書き出すと、トレーダー・ジョーズの名前がそのリストの一番上にありました。
アメリカで生活し始めてから、トレーダー・ジョーズの店舗を週1回以上のペースで利用しています。対面での交流が制限されていたパンデミックの期間には、ここのクルーとおしゃべりするために、ある日はジャガイモ、ある日はタマネギ、またある日はバナナだけを買いに来たこともありました。
トレーダー・ジョーズのクルーたちの親切さと人としての温かみが大好きです。それでおのずとこの店の一員になれたらどんな気分だろうかと想像するようになりました。他の店で買い物をするときには感じない感動をなぜここでは感じるのか、その秘訣に興味があり、学びたいと思っています。
それと、私がこれまでずっと大企業でデスクワークしかしてこなかったからクルーとして働くのは難しいとお思いでしたら、それは先入観に過ぎません。1、2か月だけやってみてすぐ辞めようだなんて考えもありません。本気で今までとは異なる仕事をしてみたいと思っているから、この仕事に挑戦するんです。
ここで出会う同僚は今までと違うとおっしゃいましたね? まさにそれこそ、私がこの仕事を選んだ理由です。これまでの人生で得た気づきのひとつは、どんな人からも学ぶことがあるということです。トレーダー・ジョーズのクルーは本当にさまざまですよね。年齢も、生活環境もこんなに多様な人たちのそばで働ける場所はほんのひと握りじゃないですか?」
2人のメイトは私の返答に満足げな表情を浮かべた。
Q4「周りの人に対して、自分がやらなくても済むことをして感動を与えたことはあるか?」
事前に下調べをしたところ、この質問はトレーダー・ジョーズの面接では必ず聞かれるとあった。トレーダー・ジョーズを利用していると、単なる親切に対するうれしさ以上の感動を覚えることが少なくない。この質問にはただのアルバイト従業員という立場を越えて仕事を楽しめるのかを計ろうという意図が隠されている。
「完全に無意識で何かの行動を取っていることがあるんです。オフィスの廊下を歩いているときにティッシュが落ちていたら拾ったり、休憩室のシンクが汚れていたら清掃スタッフがあとでやるだろうとは考えずに、自分で掃除したりします。ただ自分ができることだからやっているだけですが、そういう行動に同僚や友人は感心するそうです。
ルームメイトと一緒に住んでいるのですが、掃除とゴミ捨ては私が率先してやっています。何かを期待しての行動ではありません。ただ、できる人がやっているだけですから。ご質問への答えとしてはあまりに些細なことだったかもしれませんね」
自画自賛も小っ恥ずかしいので手短に答えたが、メイトたちはうなずきながら素晴らしいと言ってくれた。
