老後の準備は、お金の使い道を話すことから
お金の話をすると、その人がどんなことを大切にしているのか、どんな暮らしを希望しているのかという価値観が見えてきます。
旅行を楽しみたい。家でのんびり過ごしたい。趣味を充実させたい。子どもや孫のために使いたい。あるいは、夫婦で過ごすよりも、それぞれで楽しみたい、など。
ところが、お金の話はどうしてもしづらいものです。住宅購入や子どもの進学、定年退職といった大きな節目になって初めて、夫婦で話をするというケースも少なくありません。その結果、「退職金をどう使うか」「年金はどんなお金に充てるか」「貯蓄はいつ取り崩すか」といった具体的なお金の使い道について、お互いの希望を十分にすり合わせないまま、大きな決断を迎えている夫婦も少なくないように思います。
Aさん夫婦も、もっと早く老後の暮らしや退職金の使い道について話していれば、2人がまったく違う未来を思い描いていることに気づけていたかもしれません。
リタイア後は、それまで積み上げてきた財産を少しずつ取り崩して暮らすフェーズに入ります。現役時代と比べると、収入を増やすことが難しく、お金の失敗を取り戻すことのハードルも上がります。
資産形成を「山を登ること」にたとえるなら、リタイア後は下山の時間です。できるだけ穏やかに、安全に下りていくためには、手元のお金だけでなく、これからの暮らしや夫婦それぞれの希望という“天候”にも目を配る必要があります。雲行きが怪しくなってからでは取れる選択肢はどうしても限られてしまいます。
そうなる前に「お金をなにに使って、これからどんな暮らしをしたい?」という暮らしとお金について、2人で話す時間を設けてみてはいかがでしょうか。
「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
https://www.mhlw.go.jp/content/001617995.pdf
内田 英子
FPオフィスツクル
代表
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