「私、このままだと壊れちゃう…」築40年・東京の実家維持に42歳長女が疲労困憊→空き家の絶望から〈家賃収入月12万円〉を得るまで【CFPが解説】

「私、このままだと壊れちゃう…」築40年・東京の実家維持に42歳長女が疲労困憊→空き家の絶望から〈家賃収入月12万円〉を得るまで【CFPが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

空き家をそのまま放置すれば、高額な維持費や税金が負担となり、お金と体力を奪い続ける「負動産」になってしまいます。本記事では、築40年の東京の実家を空き家にして維持管理に疲弊した42歳長女の事例をもとに、葛藤から月12万円の家賃収入を生み出すまでの経緯と、空き家放置のリスクについて、CFPの下田幸彦氏が解説します。

【CFPが解説】固定資産税、火災保険…「空き家」放置でかかるコスト

サチコさんの事例から教訓として得られるのは、「何もしない」状態でもコストはかかり続けるという事実です。

 

空き家のまま放置すれば、固定資産税はかかり続け、建物は傷み、維持のための往来コストも積み上がります。さらに2023年の空き家対策特別措置法の改正により、管理不全の空き家は固定資産税の優遇措置が外れる可能性も出てきました。

 

そして、もう一つ見落としがちな問題があります。それは「火災保険」です。

 

空き家は「人が住む家」とみなされないため、通常の住宅用火災保険では引き受けを断られるケースがあります。引き受けてもらえる場合でも、保険料が住宅物件の1.5〜2倍に跳ね上がることも珍しくありません。空き家は放火や漏電、無人ゆえの管理不備による近隣への延焼リスクが高いとみなされるためです。

 

実際に、空き家状態のまま従来の火災保険を継続していても、いざ事故が起きたときに「告知義務違反」として保険金が支払われないケースもあります。そのため、空き家になった時点で保険会社に連絡し、「一般物件」として契約し直すか、空き家専用の保険に切り替える必要があります。

 

賃貸に出すことが決まれば、借主が入居した時点で通常の住宅用火災保険に戻せます。空き家を賃貸化することは、保険の面でもリスクを解消することにつながります。

 

「実家を手放したくない」というサチコさんの気持ちはよく理解できます。しかし感情の壁を越えて一歩踏み出すことで、空き家が「負担」から「資産」に変わることもあります。

 

サチコさんが最初に「帰る場所がなくなる」と感じていた実家は、今は安定した家賃収入を生み出しながら、誰かの大切な生活の場になっているのです。

親の家をどうするか…「負動産」を「資産」に変えるために

親が元気なうちは「まだ先の話」と思いがちですが、いざ空き家になってから動こうとすると、感情的にも実務的にも負担が重くなります。親の家の問題は、思っているより早く、思っているより複雑な形でやってきます。

 

売却するか、賃貸に出すか、自分たちが使うか。選択肢はいくつかあります。

 

しかし、どの選択をするにしても、早めに家族で話し合い、物件の状態や市場価値を把握しておくことが、将来の選択肢を広げることにつながります。

 

 

下田 幸彦

青い森FP事務所

代表/CFP®

※個人情報保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。

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