(※写真はイメージです/PIXTA)

お盆や年末年始など、離れて暮らす家族が実家に集まることを楽しみにしている人もいるでしょう。一方、帰省する側にとっては数日の滞在でも、迎える側には食事や寝具の準備、掃除などが発生します。加齢や生活の変化にともない、これまで当たり前だった帰省の形を見直す必要が出てくることもあります。

「もう全部はできない」…息子一家が変えた帰省の形

直樹さんは母親に、「だったら、何もしなくていいよ」と伝えました。しかし和子さんは笑って、「そう言われても、来たら何かしなきゃと思うのよ」と答えたそうです。

 

直樹さんにも思い当たることがありました。

 

実家に着けば、食事が用意されているのが当たり前。食後の皿洗いを妻が手伝うことはあっても、食材の買い出しや寝具の準備まで誰がしているかを意識したことはありませんでした。

 

しかも孫たちが成長し、食べる量も増えています。以前は子ども用の布団2組で済んでいたものが、今では大人とほぼ同じ寝具が必要です。

 

和子さんが気にしていたのは体力だけではありません。

 

「買い物すると、結構かかるのよ。せっかく来るんだからと思うと、普段は買わないものまで買っちゃうでしょう」

 

総務省『家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果』によると、65歳以上の単身無職世帯の実収入は月平均13万1,456円、可処分所得は11万8,465円です。一方、消費支出は14万8,445円。もちろん個々の家計は異なりますが、家族を迎える際の食費などが普段の生活費に上乗せされれば、負担に感じる世帯もあるでしょう。

 

話し合った結果、直樹さん一家は年末も帰省することにしました。ただし、これまでとはやり方を変えます。

 

夕食は途中で買って持参し、翌日は家族で外食。布団も、直樹さんたちが到着してから自分たちで準備することにしました。帰る日の朝にはシーツを外し、洗濯まで済ませます。

 

和子さんにも「特別なものは買わなくていい」と伝えました。

 

「母が嫌だったのは僕らが帰ることじゃなくて、帰省のたびに自分が全部準備することだったんですよね」

 

家族の帰省は、交通費や日程を調整する側だけに負担があるわけではありません。迎える側にも、食事代や家事、寝具の準備など、普段とは異なる負担が生じます。

 

これまで何年も続けてきたからといって、同じ方法を続ける必要はありません。帰省そのものをやめるか続けるかだけではなく、食事は持ち寄る、外食を利用する、寝具は自分たちで準備するなど、迎える側に負担が偏らない方法を考えることもできます。

 

家族の年齢や暮らしが変われば、集まり方も変えていく。そうすることで、帰省を誰か一人が頑張らなければ成り立たない行事にせず、続けやすいものにできるのでしょう。

 

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