(※写真はイメージです/PIXTA)

親などの親族が亡くなった後、遺産整理の段階で「亡くなる直前に口座から多額の預金が引き出されている」ことに気づき、相続人同士のトラブルに発展するケースは少なくありません。使途が不明だったり、同居していた家族が隠し持っていたりする場合、他の相続人は泣き寝入りするしかないのでしょうか。そこで今回は、実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、亡くなる直前に引き出された使途不明金の法的な扱いや対処法について、「弁護士だからわかる!できる!あんしん相続」(Gakken)の著者である古山 隼也弁護士が解説します。

使途不明金を調べるときに「よく使われる方法」3つ

使途不明金問題がある場合、この問題を取り上げる側ははじめ事実関係を知らないことがほとんどです。ネコババしていた相続人が自分から告白したり証拠を出してくることは、まずありません。

 

使途不明金を調べるときによく使われる方法として、次のようなものがあります。

 

●金融機関から取引履歴や払戻請求書などを取り寄せる。

●市町村役場から介護認定記録を取り寄せる。

●医療機関からカルテなどを取り寄せる。

 

まずは不自然な出金があるかどうかを確認し、ある場合は、「いつ」「いくら」「どこで」出金されたかを確認しなければなりません。

 

金融機関から取り寄せられる取引履歴は口座の入出金について記録されていますので、大切な資料になります。また、払戻請求書の筆跡から出金した人が誰か推測することができます。ただし、これら資料は過去10年分までしか取り寄せられないのが原則ですので注意してください。

 

次に、被相続人が自分で財産管理をしていたのか、他の人が財産管理をしていたのであればそれが誰か、を調べなければなりません。もし被相続人が介護保険の認定を受けていたのであれば、介護認定記録の訪問調査票に金銭の管理状況について記載があります。また、医療機関のカルテなどを見れば、被相続人の判断能力や外出できる状態だったかなどを確認することができます。

 

これら資料を集めて、同居していた相続人が不自然な出金をしていたことが判明すれば、その相続人に払戻金の使いみちの説明を求めることになります。払戻金の使いみちは出金した相続人であればある程度説明できるはずなので、説明できない、または説明しないのであれば、その事実自体がネコババしたと推測させる根拠となります。

 

ネコババは横領罪や窃盗罪となる可能性があることから、警察に相談して捜査してもらおうと考える相続人もいます。しかし、ネコババしたのが同居の親族などの場合、親族相盗例といって刑が免除されます。

 

多くの場合、使途不明金問題は刑事事件でなく民事事件として解決を図っていくことになります。

 

当事者同士での話し合いが難しいケースは珍しくなく、第三者である弁護士を交え、話し合いや調停・訴訟で解決を進めていくのが現実的です。時間が経つほど証拠の収集は難しくなるため、異変に気づいた段階で早めに具体的な対応へ着手することをおすすめします。

 

 

古山 隼也

弁護士

 

 

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