サブリース契約を結ぶ前に確認すべき「契約書の中身」
令和6年度、国土交通省が行った調査(国土交通省不動産・建設経済局『令和6年度不動産管理業に関する実態分析に係る調査検討業務〔報告書〕賃貸住宅管理業部分抜粋』(2025年3月)19頁)では、回答したサブリース事業者(ここでいうC社)232社のうち、46.1%が賃貸人(ここでいうAさん)とのあいだにトラブルがあったと回答しています。
この結果は必ずしも、所有者の約半数が被害に遭っていることを意味しませんが、いずれにせよ、サブリースをめぐるトラブルが一定数、存在することを示すものです。
Aさんの立場からC社と契約を結ぶ場合、まず一番注意しなければならないのが、AさんとC社とのあいだで交わす契約書の内容です。C社のAさんに対するセールストークにおいて、「家賃保証をしますよ」「30年間ずっと借り上げできますよ」といっていたとしても、実際の契約書を見てみると、賃料の見直しの可能性の条項や、中途で解約することができる条項、免責条項が書かれているケースが少なくありません。
そのため、セールストークと契約書の内容が本当に一致しているのかをチェックする必要があります。ただし、仮に30年間同じ家賃を支払う旨が書いてあったとしても、普通賃貸借の場合、借地借家法に基づく賃料減額請求をすることができますので、同額の家賃支払いが「必ず」保証されるということではない点には要注意です。
また、空室の有無にかかわらず賃料を保証してくれる業者であっても、修繕費まで負担してくれるとは限りません。建物は古くなりますし、設備も壊れます。家賃収入の数字だけを見ていても、実際に手元にいくら残るのかはわかりません。修繕費も多くのケースでは所有者(例でいうAさん)が負担するのが多いのではないでしょうか。
ですから、サブリース契約を結ぶ際には、契約書の内容として、
・本当に家賃保証がされるのか
・修繕費やその他の経費負担に関する条項
といったポイントを丁寧に確認する必要があります。
そして、上記でも述べましたが、普通賃貸借の場合、契約書に家賃額が定まっていても、同じ賃料が必ずしもキープされるわけではなく、場合によっては賃料減額もありうることを知っておく必要があるでしょう。ただし、業者が減額を求めれば、その希望どおりの額になるわけではありませんし、定期借家契約の場合には、家賃の減額請求をあらかじめ排除することもできます。
なお、後日のトラブルに備えて、パンフレットや収支シミュレーション、メールなどの資料は、大切に保存しておきましょう。

