●25bpの利上げはほぼ織り込み済みだが、50bpの利上げや、据え置きの議案提出の有無を確認。
●植田総裁は物価上振れリスクを意識し次回以降も議論と述べ、利上げ継続姿勢を示す公算大。
●利上げは今後3会合に1回程度でターミナルレートは1.75%を予想、市場の織り込みは行き過ぎ。
25bpの利上げはほぼ織り込み済みだが、50bpの利上げや、据え置きの議案提出の有無を確認
日銀は9月17日、18日に金融政策決定会合を開催します。政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標については、すでに複数のメディアが1.00%程度から1.25%程度へ引き上げられるとの見通しを報じており、市場でも25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げはほぼ織り込み済みとなっています。そのため、市場は今回、今後の利上げペースやターミナルレート(利上げの最終到達点)の手掛かりを探ることになると思われます。
弊社も25bpの利上げを予想していますが、確認しておきたいのは、政策委員会の委員9名の意向です。例えば、タカ派とされる高田創審議委員や田村直樹審議委員から、25bpではなく50bpの利上げの議案が提出されるか否か、また、ハト派とされる浅田統一郎審議委員や佐藤綾野審議委員が、利上げに反対の票を投じるか否かは、市場でも関心の高いポイントになっています。
植田総裁は物価上振れリスクを意識し次回以降も議論と述べ、利上げ継続姿勢を示す公算大
なお、円安進行の一服などもあり、現時点で国内物価の上振れリスクが急速に強まっている訳ではないことから、50bpの利上げの議案が提出される可能性は低いと思われる一方、ハト派委員の据え置き主張はある程度、想定されるものとみています。仮に今回、大方の予想通り25bpの利上げが決定された場合、声明では、物価の上振れリスクに対処したものであり、利上げ後も緩和的な金融環境は維持されるとの説明がなされると考えます。
植田和男総裁の記者会見では、金融政策の運営に関し、影響を注視している「中東情勢」、「人工知能(AI)関連需要の拡大」、「為替相場の変動」についての現状判断が示されると思われます。植田総裁はそれを踏まえた上で、引き続き物価の上振れリスクを意識し、次回以降の決定会合でしっかりと議論していくと述べ、利上げを継続していく姿勢を改めて示す公算が大きいとみています。
利上げは今後3会合に1回程度でターミナルレートは1.75%を予想、市場の織り込みは行き過ぎ
ただ、植田総裁はこれまでと同様、今回も利上げペースやターミナルレートの水準について、具体的に言及することはないと考えています。市場では現在、来年4月までに25bpの利上げ3回が織り込まれ(図表1)、ターミナルレートの「代理指標」の1つとして参照される2年先1年の金利は、今後2年間で25bpの利上げ5回を織り込む状況にありますが(図表2)、今会合後に、これらの織り込みが大きく変化することはないように思われます。
弊社は日銀が今回25bpの利上げを決定した後、3会合に1回程度のペースを目安に、来年1月と6月に25bpの追加利上げを行うと予想しています。この時点で政策金利は1.75%と、日銀が推計する名目の中立金利(景気を刺激も抑制もしない水準)である1.1%~2.5%程度のほぼ中心に達するため、その後は利上げの影響を慎重に見極める時間帯に入るとみており、現在の市場の織り込みはやや行き過ぎと考えています。
※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2026年9月日銀政策会合プレビュー~今回の注目点を整理する【三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。
市川 雅浩
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
チーフマーケットストラテジスト
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