フィリピンGDP成長率「2.3%」に急減速だが…アジア開発銀行らが予測する「後半回復」の根拠

9月14日週「最新・フィリピン」ニュース

フィリピンGDP成長率「2.3%」に急減速だが…アジア開発銀行らが予測する「後半回復」の根拠
写真:PIXTA

足元の経済指標で一時的な失速が目立つフィリピン。2026年第2四半期のGDP成長率は前年同期比2.3%と、パンデミック以降で最低水準まで落ち込み、政府目標を下回る厳しい局面を迎えています。しかし、アジア開発銀行(ADB)やユナイテッド・オーバーシーズ・バンク(UOB)の分析によれば、この減速は一時的なものであり、2026年後半にかけて力強い回復へと転じるシナリオが浮き彫りになってきました。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター・家村均氏が、フィリピン経済の現在地と今後の展望を解説します。

金融政策の動向と中長期的な成長ポテンシャル

こうした経済環境を踏まえ、UOBはフィリピン中央銀行(BSP)がこれ以上の利上げを停止し、少なくとも2027年第3四半期まで政策金利を据え置く可能性が高いと分析しています。

 

BSPは8月に政策金利を0.25%ポイント引き上げて5%とし、累計0.75%ポイントの利上げを実施済みです。インフレ圧力やペソ安、米連邦準備制度理事会(FRB)の動向など外部要因次第でスタンスが変わる可能性はあるものの、当面は「様子見」の長期化を基本路線と捉えています。

 

両機関の見通しを総合すると、2026年後半に公共投資が加速し、消費が回復すれば、成長率は3.8%前後まで持ち直す余地があると言えます。一方で、外部環境や国内執行力の不確実性を踏まえ、着実な構造改革の実行が求められる局面です。

 

ADBは2027年の成長率を5.3%と予測し、中期的には改革推進により回復軌道を維持すると見込んでいます。外国企業の投資拡大や規制環境の改善、民間資本市場の活性化が鍵であり、オフショア風力発電をはじめとする再生可能エネルギーや金融サービス分野への関心も高まっています。

 

フィリピンの長期的な経済成長性についても、明るい展望が開けています。豊富な若年人口、旺盛な国内需要、海外労働者からの送金やサービス輸出に支えられた構造的な強みに加え、インフラ整備の継続や外資規制の緩和、デジタル経済の進展が持続的な成長を後押しします。

 

ADBが指摘するように、予測可能性と信頼性の高い投資環境の整備、腐敗防止や透明性の向上が進めば、中長期的に年率5%前後の成長を取り戻し、アジアの中で存在感を高めていく可能性は十分にあります。短期的な調整局面を乗り越え、政策の着実な実行を通じて、フィリピン経済が本来の潜在力を発揮することが期待されます。

 

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本記事は信頼できる情報源に基づき、情報提供を目的として作成されたものであり、特定の金融商品や投資対象の勧誘、売買の推奨を目的としたものではありません。掲載されているデータや市場見通しは執筆時点のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、読者ご自身の判断と責任において行われますようお願いいたします。

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