「残念ですが、あなたは遺族年金の対象になりません」「え、なんで?」…夫婦で役割逆転、年収950万円妻を亡くした50歳専業主夫。年金事務所で突きつけられた“厳しすぎる現実”【CFPが解説】

「残念ですが、あなたは遺族年金の対象になりません」「え、なんで?」…夫婦で役割逆転、年収950万円妻を亡くした50歳専業主夫。年金事務所で突きつけられた“厳しすぎる現実”【CFPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

今や「夫が家事や育児を担い、妻が働いて稼ぐ」という家庭も、珍しいものではなくなっています。しかし、こうした家族の形に追いついていなかったのが、公的年金制度。この事例の直樹さん(50歳)は、周囲に先駆けて“主夫”という生き方を選びましたが、妻の死をきっかけに思わぬ壁にぶつかることになりました。今回はこのような問題に対する遺族年金制度の仕組みや注意点、備えておきたい保障について、トータルマネーコンサルタント・CFPの新井智美氏が解説します。

専門家の視点|「共働き」だけでなく「主夫・主婦家庭」こそ保障の見直しを

「妻が働き、夫が家庭を守る」という家庭は年々増えていますが、保険や年金の見直しは、依然として「夫が大黒柱」という前提で考えられているケースが少なくありません。

 

実際には、家計を支えている人に万一のことが起きれば、残された家族の生活は大きく変わります。ところが、遺族年金は家族構成や年齢によって受給できないこともあり、「公的保障があるから安心」と思い込んでいると、生活設計が大きく崩れる可能性があります。

 

特に専業主夫や専業主婦の家庭では、亡くなった人の年収ではなく、「残された家族はいくらあれば生活できるのか」という視点で必要保障額を考えることが重要です。住宅ローンの有無、子どもの教育費、再就職までに必要な生活費などを踏まえて、不足する金額を生命保険や十分な預貯金で補えるか、一度試算しておくと安心です。

 

また、働き方や収入のバランスが変わったタイミングは、保障内容を見直す絶好の機会です。直樹さん夫婦のケースでも、住宅ローンを組んだ当時は直樹さんが働いており、それぞれ50%の割合で団信に加入。美咲さんが家計の中心になった後も見直すことはありませんでした

 

 

結婚や出産だけでなく、「夫が退職して主夫になる」「妻の収入が家計の中心になった」といったライフスタイルの変化があったときこそ、公的保障と民間の保障の両方を確認しておくことが、家族を守る備えにつながります。

 

また、直樹さんのケースでは、すでに子どもが独立しているため、自宅を売却してローンを完済する方法もあります。ただし、売却すれば住居費がなくなるわけではなく、賃貸なら家賃が発生します。

 

大切なのは、「家を残すこと」にこだわるのではなく、残された人が無理なく暮らしていける道を選ぶこと。家族の働き方や役割が変わったときには、それに合わせて保障や資産の持ち方も見直す必要があるでしょう。

 

 

新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®

 

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