専門家の視点|「共働き」だけでなく「主夫・主婦家庭」こそ保障の見直しを
「妻が働き、夫が家庭を守る」という家庭は年々増えていますが、保険や年金の見直しは、依然として「夫が大黒柱」という前提で考えられているケースが少なくありません。
実際には、家計を支えている人に万一のことが起きれば、残された家族の生活は大きく変わります。ところが、遺族年金は家族構成や年齢によって受給できないこともあり、「公的保障があるから安心」と思い込んでいると、生活設計が大きく崩れる可能性があります。
特に専業主夫や専業主婦の家庭では、亡くなった人の年収ではなく、「残された家族はいくらあれば生活できるのか」という視点で必要保障額を考えることが重要です。住宅ローンの有無、子どもの教育費、再就職までに必要な生活費などを踏まえて、不足する金額を生命保険や十分な預貯金で補えるか、一度試算しておくと安心です。
また、働き方や収入のバランスが変わったタイミングは、保障内容を見直す絶好の機会です。直樹さん夫婦のケースでも、
結婚や出産だけでなく、「夫が退職して主夫になる」「妻の収入が家計の中心になった」といったライフスタイルの変化があったときこそ、公的保障と民間の保障の両方を確認しておくことが、家族を守る備えにつながります。
また、直樹さんのケースでは、すでに子どもが独立しているため、自宅を売却してローンを完済する方法もあります。ただし、売却すれば住居費がなくなるわけではなく、賃貸なら家賃が発生します。
大切なのは、「家を残すこと」にこだわるのではなく、残された人が無理なく暮らしていける道を選ぶこと。家族の働き方や役割が変わったときには、それに合わせて保障や資産の持ち方も見直す必要があるでしょう。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®
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