(※写真はイメージです/PIXTA)

大学進学時に奨学金を利用する際、18歳前後で返還期間や利率の仕組みまで十分に理解するのは簡単ではありません。保護者と相談しながら手続きを進め、「毎月いくら借りるか」は覚えていても、利率をどのように決めたのかまでは意識していない人もいるでしょう。数年後、返還が始まってから初めて契約内容を確認するケースもあります。

返還開始から5年、違いを知って驚いた詳細

直人さんが大学を卒業し、貸与が終了したのは2020年3月でした。

 

日本学生支援機構『貸与利率の推移』によると、2020年3月に貸与を終了した第二種奨学金の基本月額について、利率固定方式の利率は年0.070%でした。直人さんにも、この水準を基にした固定利率が返還終了まで適用されています。

 

一方、同じ2020年3月に貸与終了した人でも、利率見直し方式を選んでいれば当初の利率は年0.002%でした。

 

「じゃあ見直し方式のほうが得だったんじゃない?」

 

直人さんは最初そう思いました。しかし、その先まで確認して見方が変わります。

 

同じ年度の利率見直し方式では、最初の見直し後となる2025年3月28日から2030年3月27日までの利率が年0.767%になっています。市場金利の変化によって、当初より大きく上昇したのです。

 

一方、直人さんの0.070%は変わりません。ここで初めて、「固定」という言葉の意味が実感できたといいます。

 

「最初は見直し方式の0.002%を見て、『そっちにすればよかった』と思いました。でも、5年後には変わる可能性まで含めて選ぶものだったんですね」

 

もちろん、利率固定方式が常に有利というわけではありません。

 

市場金利が下がった場合でも固定方式の利率は変わりません。一方、見直し方式なら利率が下がる可能性があります。どちらが結果的に有利になるかは、将来の金利動向によって変わります。

 

また、第二種奨学金の利率は年3.0%が上限です。在学中は無利子で、貸与終了後に利子を含めて返還していきます。

 

直人さんは今回、自分が残り何年返還するのかも初めて詳しく確認しました。

 

奨学金の申込みは、多くの場合、大学進学前後の若い時期に行います。その時点では、数十年にわたる返還や金利の変化まで具体的に想像するのは難しいかもしれません。

 

利率の算定方法は貸与終了前の一定期間までは変更できますが、貸与終了後には変更できません。

 

直人さんのように、返還が始まってから何年も経って初めて契約内容を理解することもあります。奨学金を利用するときには、保護者任せにせず、将来返す本人も「いくら借りるのか」だけでなく、「どのような条件で返すのか」まで確認しておくことが重要です。

 

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