「固定のほうが安心じゃないか?」18歳で選んだ利率固定方式
「そういえば俺の奨学金って、金利どうなってるんだろう」
会社員の直人さん(仮名・28歳)が自分の奨学金について調べ始めたのは、職場で住宅ローンの話題が出たことがきっかけでした。
同僚が「固定金利にするか変動金利にするか迷っている」と話しているのを聞き、直人さんはふと、自分も大学進学時に似た言葉を見たことを思い出したのです。
直人さんは10年前、私立大学への進学を機に、日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金を申し込みました。貸与月額は8万円。4年間で総額384万円です。
当時、奨学金の書類は父親と一緒に記入しました。
「固定と見直し、どっちにする?」
そう聞かれても、18歳の直人さんには違いがよく分かりませんでした。父から「固定のほうが、あとで上がらないから安心じゃないか」と言われ、「じゃあそれで」と利率固定方式を選んだといいます。
「借りる金額は覚えていました。でも、利率固定方式が具体的にどういうものなのかは、ほとんど理解してなかったですね。親に言われるままサインした、という感覚でした」
大学卒業後はそのまま就職し、半年ほどして返還が始まりました。
口座から毎月1万6,000円ほどが引き落とされます。家計には決して小さくない金額ですが、給与から自動的に落ちるため、数年もすると特に意識しなくなりました。
日本学生支援機構『令和6年度学生生活調査』によると、大学学部(昼間部)の学生のうち、何らかの奨学金を受給している人は51.1%。この数字にはJASSO以外の給付・貸与奨学金も含まれており、学生の約半数が何らかの奨学金を利用していることになります。
直人さんが改めて自分の書類を確認すると、そこには「利率固定方式」とありました。そして、ようやく当時選んだものの意味を知ります。
第二種奨学金では、申込時に「利率固定方式」と「利率見直し方式」のどちらかを選びます。ただし、実際の利率が申込時に決まるわけではありません。貸与終了時の利率が基準になります。
利率固定方式なら、そのとき決まった利率が返還終了まで変わりません。一方の利率見直し方式では、貸与終了時の利率を基に、おおむね5年ごとに見直されます。
