(※写真はイメージです/PIXTA)

長年暮らした持ち家は、年齢を重ねるにつれて維持管理が負担になることもあります。子どもの独立後に部屋を持て余したり、修繕費や固定資産税が重く感じられたりするなかで、あえて家を売り、暮らし方を見直す人もいます。では、住み替えによって実際の生活はどう変わるのでしょうか。

住み替えから2年、娘が驚いた夫婦の暮らし

引っ越しから2年後、長女が夫婦の家計表を見て驚きました。

 

「旅行や外食を楽しんでいるから、売却したお金をかなり使っていると思っていたの。でも、ほとんど減っていなかったんです」

 

夫婦は売却代金を普段の生活費には組み込まず、医療や介護、将来の住み替えに備える資金として別口座で管理していました。日常生活は年金の範囲を基本とし、旅行や家電の買い替えなど大きな支出がある月だけ、年間予算から取り崩します。

 

車も2台から0台にし、必要なときはタクシーやカーシェアを利用。和夫さんは週2回、市の体育館へ通い、洋子さんは近所の料理教室に参加しています。戸建て時代には「家の手入れがあるから」と外出を控えることもありましたが、今は二人で年2回ほど国内旅行へ出かけるようになりました。

 

総務省『家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯は、実収入が月25万4,395円、可処分所得が22万1,544円です。平均的には、年金などの収入だけですべての支出を賄うことが難しい世帯もあり、住み替え後の固定費を事前に試算する必要があります。

 

こうした数字を踏まえても、住み替えでは「家がいくらで売れるか」だけでなく、転居後の住居費を年金収入でどこまで賄えるかを確認しておくことが重要です。高橋さん夫婦の場合、売却で得た資金を日常生活の穴埋めに使わずに済む家計を組めたことが、住み替え後の安心につながりました。

 

夫婦は現在も、年に一度、家賃や生活費、将来必要になる資金を娘たちと確認しています。旅行や外食を楽しみながらも、無理のない範囲で暮らす――。高橋さん夫婦にとって家を手放すことは、老後資金を得るためだけではなく、これからの生活に合った住まいへ移るための選択だったのです。

 

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