「自分を心配してくれる人」がいなくなったとき、考えたい老後の備え
親を見送ったことをきっかけに、「もし自分に何かあったら、誰が気づいてくれるのだろう」と真剣に考え始めるケースは少なくありません。自分のことを日常的に気に掛けてくれる存在がいなくなり、「もしものとき」が急に現実味を帯びてくるのです。
近年は生涯未婚率の上昇や晩婚化などを背景に、高齢になっても一人暮らしを続ける人が増えています。国立社会保障・人口問題研究所によると、2020年時点の50歳時未婚割合(生涯未婚率)は、男性28.25%、女性17.81%。男性では約4人に1人、女性では約6人に1人が50歳時点で一度も結婚を経験していない計算です。
兄弟姉妹がいても、それぞれが家庭を持ち、頼るのも気を使う。「身内がいるから安心」とは言い切れない時代になっています。
だからこそ、「万一」に備える準備を進めておくことが重要です。例えば、自治体や民間企業が提供する見守りサービスでは、一定期間生活反応がない場合に家族や登録先へ連絡が入る仕組みや、定期的な安否確認を行うサービスがあります。
また、緊急通報サービスを利用すれば、自宅で急病や転倒などが起きた際、ボタンひとつで警備会社や消防、登録先へ連絡できるものもあります。
さらに、身寄りが少ない人にとっては、身元保証サービスの活用も選択肢の一つです。入院や高齢者施設への入居時には保証人を求められることが少なくありません。近年は、保証人の引き受けだけでなく、入退院時の手続き支援や、亡くなった後の事務手続きまで含めたサービスも広がっています。
加えて、任意後見契約や財産管理等委任契約を利用して、判断能力が低下した場合に備えておく人も増えています。預貯金の管理や各種手続きを信頼できる人や専門職に任せる仕組みを、元気なうちに整えておく方法です。
こうした備えは、独身だから今すぐに実行すべきものでも、すべての人に必要というものでもありません。しかし、情報を少しずつ集めて、自分に必要なものは何かを考える。それだけでも安心を得られます。
かつては親が気に掛けてくれた、自分の安否。その役割を誰かに期待するのではなく、自分自身で備えていくことも、これからの時代の老後準備の一つといえるでしょう。
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