「これ以上、俺を巻き込まないでくれ」スーパーのパック寿司とオードブルを前に、息子が絶叫。築40年の公営住宅に身を寄せる70代夫婦が思い知った、家族扶養の限界【FPが解説】

「これ以上、俺を巻き込まないでくれ」スーパーのパック寿司とオードブルを前に、息子が絶叫。築40年の公営住宅に身を寄せる70代夫婦が思い知った、家族扶養の限界【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

定年後は、収入源が給与から年金へと切り替わり、生活スタイルの見直しが求められます。しかし、自身の老後資金を十分に検討せず子世帯からの金銭援助に頼る生活を続けていると、いずれ限界が訪れる可能性が高いでしょう。本記事では、佐藤正一さん(仮名)の事例を通して、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が、70代夫婦が直面した老後破綻の危機と、親子間の資金援助における注意点について解説します。※本記事は実話をベースに構成していますが、プライバシー保護のため、個人名や団体名、具体的な状況の一部を変更しています。

老後資金不足は、子どもの人生まで左右する

総務省統計局「家計調査(2025年)」によると、高齢夫婦無職世帯の平均的な実収入は月約25万円である一方、消費支出と税・社会保険料などを合わせた実際の支出は約28万円となっており、多くの世帯で毎月数万円の赤字が生じていることがわかります。

 

不足分は預貯金を取り崩して補う家庭が多いものの、蓄えが少ない家庭などでは、子どもからの資金援助に頼らざるを得ないケースも少なくありません。

 

しかし、子ども世帯も決して余裕があるわけではありません。我が子の教育費や住宅ローンといった支出に加え、自身の老後資産形成のための貯蓄も必要です。そのタイミングで親への仕送りまで重なれば、家計の負担は一気に増大します。

 

この状態で援助を続けていては、子世帯自身の生活が苦しくなってしまうほか、ひいては孫の将来にまで影響をおよぼす可能性があります。

 

もちろん、親子で助け合うこと自体が悪いわけではありません。しかし、「子どもがなんとかしてくれる」という前提で生活してしまうと、援助が途絶えた際に大きなリスクとなります。

 

こうした事態を防ぐためには、まず自分たちの家計を「見える化」することが重要です。毎月いくら収入があり、なににいくら使っているのか、いまの資産で何年生活できるのか、不足するのであればどのくらい収入を増やす必要があるのか……こうした点を数字で把握し、見通しを立てる必要があるでしょう。

 

まだ働ける体力があるのであれば、パートやアルバイトを続けることも一つの選択肢ですが、今回の夫婦のように持病やケガなどで働けない場合は、自治体の生活支援制度や高齢者向けの給付・減免制度を活用することも有効です。また、通常65歳から受給開始の公的年金は、最長75歳まで「繰下げ受給」することで受給額を増やすこともできます。

 

どの制度が自分に適しているのかを確認しながら、収入と支出のバランスを整えていくことが大切です。

 

「親子の助け合い」を「どちらか一方の依存」にしないために

親子は互いに助け合うべき存在ですが、その助け合いが“どちらか一方の我慢”となってしまえば、その関係はいずれ限界を迎えます。

 

正一さん夫婦の問題点は、息子を頼ること自体にあったのではありません。息子の助言に耳を傾けず、老後の資金や生活設計を十分に考えないまま息子への依存を続けてしまったことにあります。

 

「家族だから助けてもらえる」と考えるのではなく、「家族だからこそなるべく負担をかけないようにしよう」という意識が、結果として親子の良好な関係を維持することにつながるでしょう。

 

 

小川 洋平

FP相談ねっと

ファイナンシャルプランナー

 

【関連記事】

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

 

 

 

【注目のセミナー情報】​​​

【資産運用】7月22日(水)オンライン開催
《2026年・富裕層のマネー戦略》
「投資信託×保険」の資産形成アプローチ

 

【アメリカ不動産投資】7月27日(土)オンライン開催
過去10年間で住宅価格が1.9倍に上昇したエリアも!
「減価償却×ドル建て資産」を活用した資産形成戦略

 

 

※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧