(※写真はイメージです/PIXTA)

孫と過ごす時間は、祖父母にとって大きな喜びです。とはいえ年齢を重ねると、幼い子どもの世話は体力的にも精神的にも負担になります。子ども世帯を支えたい気持ちがあっても、預かりや食事の準備が毎週続けば、老後の暮らしは少しずつ変わります。家族だからこそ、無理を言い出せないこともあります。

「じいじの家に行きたい」…喜びだった週末が負担に変わるまで

雅夫さん(仮名・69歳)は、妻の恵子さん(仮名・68歳)と二人暮らしです。夫婦の年金収入は月25万円ほど。

 

住宅ローンは完済しており、ぜいたくをしなければ落ち着いて暮らせる家計でした。退職後は、近場の温泉や趣味の釣りを楽しみながら、夫婦で静かに過ごすつもりでした。

 

ところが長女夫婦に二人目の子どもが生まれてから、生活は大きく変わります。長女夫婦は共働きで、週末になると小学生と保育園児の孫を連れて来るようになりました。

 

最初は月に一度ほどで、雅夫さんも恵子さんも喜んで迎えていました。孫たちの声で家がにぎやかになることは、夫婦にとって楽しみでもあったのです。

 

しかし、その訪問は次第に毎週のようになりました。長女は「子どもたちが行きたがっているから」と言います。夫婦は断る理由を見つけられませんでした。

 

前日は掃除と買い出し、当日は昼食やおやつの準備、公園への付き添い。帰ったあとは散らかった部屋の片付けと洗濯が待っています。

 

雅夫さんは、孫と遊ぶ時間そのものが嫌だったわけではありません。ただ、鬼ごっこやボール遊びに付き合うと、翌日は腰や膝が痛みます。恵子さんも台所に立つ時間が長くなり、夕方には口数が少なくなりました。

 

金曜の夜、長女から「明日も行くね」とメッセージが届きました。雅夫さんは画面を見たまま、思わずつぶやきます。

 

「もう、週末が怖い…」

 

その言葉に、恵子さんも静かにうなずきました。

 

ある日、雅夫さんは孫を公園で追いかけている途中、足をもつれさせて転びそうになりました。大きなけがはありませんでしたが、帰宅後に膝の痛みが残り、その夜はなかなか眠れませんでした。

 

翌朝、恵子さんは言いました。

 

「このまま毎週は無理よ」

 

雅夫さんも反論できませんでした。孫はかわいい。長女夫婦を助けたい気持ちもあります。しかし自分たちの体力や生活を削り続ければ、いつか本当に倒れてしまうかもしれません。

 

 

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