発行額は前年比60%増…「個人向け国債」が再び注目されている背景
金利のある時代の到来とともに、個人向け国債が大きな注目を集めている。財務省のデータによれば、2026年上半期(1~6月)の個人向け国債発行額は4兆5,228億円と、前年同期の2兆8,107億円から60.9%増加した。
SBI証券の決算説明資料(2026年5月)によれば、同社の個人向け国債・新窓販国債の販売額も2026年1月に単月として過去最高の535億円を記録するなど、販売現場でも勢いが増している。元本保証という安心感に加え、金利上昇局面でもその恩恵を享受できる商品性が改めて評価されている。
日銀の資金循環統計(2025年12月末)によれば、個人金融資産残高は2,394兆円と過去最高を更新した。その構成は現金・預金が47.6%と最大で、保険・年金24.4%、株式等16.2%、投資信託6.9%と続く。国債など債務証券はわずか1.4%の34兆円にとどまる。
財務省の保有者別内訳によれば、国債の総発行残高1,025兆円のうち家計が保有するのは1.8%の約18兆円にすぎず、日銀の49.0%と比べると家計の存在感は極めて限定的だ。個人が国債に向かい始めたとはいえ、まだ大きな余白がある。
個人が購入できる国債には大きく2種類ある。財務省が個人専用に設計した「個人向け国債」と、通常の利付国債「新窓販国債」だ。両者の違いを一言でいえば「元本保護を優先するか、利回りを取るか」である。
令和8年6月募集分では、個人向け国債・変動10年が1.74%(半年ごとに見直し)、固定5年が1.86%(5年間固定)だったのに対し、新窓販国債10年の応募者利回りは2.598%(10年間固定)だった。
10年間確実に保有でき足元の利回りを最大化したい人には新窓販10年、中途換金の可能性がある資金や元本を絶対に守りたい人には個人向け国債という使い分けが一つの考え方といえる。

