(※写真はイメージです/PIXTA)

孫の成長を近くで見守れることは、祖父母にとって大きな喜びです。一緒に食事をし、遊び相手になり、頼られることで生活に張り合いが生まれることもあります。しかし、訪問や預かりが習慣化すると、知らないうちに体力や家計への負担が積み重なっていくことがあります。かわいいからこそ断れず、無理を重ねてしまう人もいます。

「預かれる日」を決めたことで戻ってきた余裕

転機になったのは、夏休み前のことでした。長女から「夏休み中、週に何日かお願いできないかな」と相談されたのです。洋子さんはすぐに返事ができませんでした。これまでなら「いいわよ」と答えていたはずですが、そのときは体力にも家計にも限界を感じていました。

 

夜、夫婦で通帳と家計簿を確認しました。食費や外出費は以前より増え、固定資産税や医療費の支払いも控えています。貯蓄1,300万円は安心材料ではありますが、将来の介護費や住宅修繕費を考えると、孫のために無計画に使えるお金ではありません。

 

厚生労働省の「地域子ども・子育て支援事業」では、放課後児童クラブやファミリー・サポート・センター事業など、家庭だけに負担を集中させないための支援制度が設けられています。祖父母の手助けは心強いものですが、すべてを家族内の善意に頼ると、負担が見えにくくなることがあります。

 

洋子さんは、長女に正直に話すことにしました。

 

「孫たちは本当にかわいい。でも、毎週末泊まりで預かるのは少しきつくなってきたの」

 

長女は驚いた様子でした。

 

「そんなに負担だった? 言ってくれればよかったのに」

 

「言えなかったの。来てほしくないんだと思われたくなくて」

 

話し合いの結果、孫の訪問は月2回を基本にし、泊まりは事前に相談することにしました。夏休みは放課後児童クラブや地域の支援も利用し、祖父母だけに頼らない形に変えることになりました。食費や外出費についても、長女夫婦が一定額を負担することになりました。

 

線引きをしたことで、洋子さんの気持ちは軽くなりました。孫が来る日を身構えるのではなく、楽しみに待てるようになったのです。

 

孫をかわいがっていても、すべてを引き受けなければならないわけではありません。祖父母にも体力や家計の事情があります。無理を続ければ、喜びだった時間まで負担に変わってしまいます。

 

これからも長く穏やかに関わるために、家族で無理のない距離を見つける必要があったのです。

 

 

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