「自分が情けない」…最高年収1,200万円超・71歳元エリート会社員、専業主婦妻の突然死で生活一変…恥を忍んで娘に尋ねた「洗濯機の使い方」

「自分が情けない」…最高年収1,200万円超・71歳元エリート会社員、専業主婦妻の突然死で生活一変…恥を忍んで娘に尋ねた「洗濯機の使い方」

「家のことは妻に任せきり」「自分は働いて家族を養ってきた」――そんな夫婦は決して珍しくありません。しかし、その当たり前が突然失われたとき、残された側は想像以上の困難に直面することがあります。今回は、妻の急死によって生活が一変した71歳男性の事例をもとに、夫婦の役割分担と“もしもの備え”について考えていきます。

恥を忍んで娘に請う「洗濯機の使い方」と家事ゼロからの出発

お金以上に須藤さんを困らせたのが、「生活をすること」でした。

 

台所にほとんど立ったことすらない須藤さんは、炊飯器でお米を炊くのも恐る恐る。惣菜や外食に頼り、食費は跳ね上がりました。さらに、全自動洗濯機を前に立ち往生し、忙しい娘に電話で頭を下げます。


「お父さん、まずは主電源を入れて……洗剤はわかる? それをキャップに入れて……その後に『スタート』を押すだけでいいのよ」


「あ、ああ……動いたな」

 

受話器の向こうの娘の声に、猛烈な恥ずかしさが込み上げたといいます。それ以外に、複雑なゴミの分別に掃除。放っておけば家はあっという間に汚れてしまうことを、初めて知りました。


「『俺が養ってやっている』なんて傲慢でした。十分な年金があっても、一人では何もできない人間なのだと思い知らされました」

判明した「3,500万円」の貯金…こみ上げる妻への感謝

不慣れな一人暮らしを送りながら、娘とともに役所や銀行に何度も足を運び、死亡届の手続きや口座の確認などに追われる日々。慌ただしい毎日から1ヵ月ほど経ったころ、残高証明書の発行により妻名義の家用口座に残されていた預金額が判明しました。

 

その額、約3,500万円。自分が渡していた生活費を、妻はこれほど堅実に守ってくれていたのかと、感謝で涙が止まりませんでした。

 

その後、父の様子を近くで見ていた娘からは、「私たちの家の近くに引っ越してこない? 週末は一緒にご飯を食べよう」と提案がありました。しかし、須藤さんはそれを断ったといいます。

 

「私のような古い人間は、妻がいなくなると本当に何もできない。ですが、子どもに迷惑をかけるのだけは嫌でした。だから一緒に暮らさなくてもいい。だけど、時々電話で情けない質問をしたら答えてほしいと言って……ありがたく遠慮したんです」

 

娘家族に支えられながらも、「これからは自分の足で立ちたい。それが妻への供養ですから」と、須藤さんは新たな日常を一歩ずつ歩み始めています。

 

内閣府「高齢社会白書(令和6年版)」によると、65歳以上の一人暮らしの割合は増加傾向にあり、2020年時点では男性の15.0%が一人暮らしとなっています。今後も増加が見込まれており、2050年には4人に1人以上の男性高齢者が単身で暮らすと推計されています。

 

夫婦のどちらかが先に旅立つ……これは、ほとんどの場合避けられません。そのため、老後には、いざ一人になっても暮らしていける「生活力」も欠かせません。そして、突然別れが来たとしても残された家族が困らないよう、口座情報や資産状況などを共有しておくことも、大切な備えだといえます。

 

 

 

 

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