アプローチ2.時間と属性の「ズレ」を突く
融資条件が悪い土地を「高属性が欲しがるタイミング」で売却し、2000万円をゲット
再生の錬金術で自信をつけたあなたが次に挑むのは、何もない土地(無)から、収益を生む建物(有)を創造する、より高度でダイナミックな価値変換だ。
私が利益2000万円を得たディールは、土地から新築アパートを建築する、というものだった。プラン付きの案件を知人から紹介してもらった。第一印象は、確かに「安い!」だったが、一筋縄ではいかなかった。
ここで、不動産投資の基本的な仕組みを簡単に説明しておこう。通常、不動産投資は金融機関からローンで資金を借りて物件を取得し、それを賃貸に出して家賃収入を得る。そして、その家賃収入から、物件管理にかかるコストやローンの返済分を差し引いたものが、あなたの手元に残る現金、すなわちキャッシュフローとなる。
このディールが「一筋縄ではいかなかった」理由は、まさにこの部分にあった。確かに物件は安かった。しかし、金融機関から提示されたローンの条件では、融資期間が短いために毎月の返済額が大きくなり、家賃収入から経費とローン返済を引くと、手元に残る現金(キャッシュフロー)は、ほぼゼロになってしまう計算だったのだ。
ほとんどの投資家が、ここで諦める。「キャッシュフローが出ないなら、儲からない案件だ」と。しかし、2速ギアの投資家は、ここから思考を一段深める。「なぜ、融資条件が悪いのか?」
原因は、物件ではなく、「今の私」の状況(属性と、これから建築するというタイミング)にあった。
そこで、私は一つの「未来」をイメージした。「もし、このアパートが無事に完成し、満室稼働している状態で、私よりも属性の高い人物(例えば、年収の高い医師や大手企業の会社員)がこの物件を買うとしたら、彼らは好条件の融資を引き出せるはずだ」と。
見えただろうか? これこそが、私が狙った「価値のズレ」だ。
それは、物件そのものの価値のズレではない。「プレイヤーの属性」と「時間軸」が生み出す、金融市場の歪み、システムの「バグ」だったのである。
キャッシュフローが出ない保有期間も、私に不安はなかった。なぜなら、水面下ではローン元金が毎月着実に返済され、私の純資産は目に見えない形で増え続けていたからだ。そして、購入時に描いた「時間軸と属性のズレを突く」という、地道で冷静な出口戦略が完璧に機能した結果、4600万円で購入した物件を4年間運用して、6600万円で売却することができた。
単純な価格差でみて2000万円のキャピタルゲイン(売却益)、売買時の諸費用がいくらかかかったが、4年間の運用を通じてローンの元金返済が450万円進んでいた。売却時には、この「減っていた借金」の分がそのまま手元に残る現金(キャッシュ)として戻ってくるため、手元現金の増加はさらに450万円上乗せされる。

