不動産会社の決算書は「有形固定資産」が大きい
次に特徴があるのがC社である。答えを先に言うと、C社は不動産会社のヒューリックである。
ヒューリックのビジネスには3つの柱がある。1つ目はビルなどを保有して「貸す」ビジネス、2つ目は開発したビルや保有しているビルなどを売却する「売る」ビジネス、3つ目は、ホテルなどを「運営する」ビジネスである。
貸すビジネスは、ビルなどを保有することになるので、有形固定資産が大きくなる。C社は資産全体に占める有形固定資産の比率が5社の中で最も高く56.5%となっている。
売るビジネスの場合は、売却予定のビルなどの不動産は通常かなり大きな金額となり、開発して売る場合も土地の取得から建設・販売まで金額も大きくなり期間もかかるので、棚卸資産回転期間が長くなる。C社の棚卸資産回転期間は5社の中で最も長い410日となっている。
一方で、C社の売上債権回転期間は5社の中でも最も短い9日となっている。これは、貸すビジネスの場合は、賃料を前払いで受け取っており、売るビジネスの場合も、不動産を売った段階ですぐ販売代金を受け取ることができるのが一般的であり、売上債権はほぼ発生しないことが背景にある。
ただ、ホテル事業などの運営するビジネスでは、宿泊客が宿泊料をカードで支払うとカード会社などからの入金に一定の期間がかかるため売上債権が発生する。そのため短いが若干の売上債権回転期間が集計されている。
総資産回転率149%…A社は“薄利多売”なPPIH
次に特徴があるのがA社である。これはドン・キホーテなどを運営するPPIHである。まず総資産回転率が149%と5社の中で最も高く、資産に比較して売上高が大きくなる大量販売の傾向が表れている。
また、売上債権回転期間が14日とC社に次いで2番目に短くなっている。これは、店頭で顧客から現金やカードで代金を回収するために回収が早くなることに関係している。
さらに売上総利益率の31.9%と営業利益率の7.2%は5社の中で最も低くなっている。これはかなり値引きして売るような薄利の事業であることを意味している。このような大量販売傾向で、代金回収が早く、薄利であるという傾向は、薄利多売のディスクカウンター的な小売業の特徴である。
また、棚卸資産回転期間の54日も5社の中で最も短く、大量販売を背景に商品の回転が速くなっていることを意味している。さらに、有形固定資産の比率も47.5%とC社に次いで2番目に大きく、店舗を保有して事業展開していることを意味している。

