効力を有しない古い戸籍も、役所に保管されている
ふだん私たちは戸籍とひと言で表現していますが、じつは戸籍にも三つの形態が存在しています。
ひとつ目が「現戸籍(げんこせき)」です。一般に私たちが戸籍と呼ぶのはこれで、現在効力を有しているものを指します。
二つ目は「除籍」です。これは婚姻、死亡、転籍などによって戸籍に入っていた人がすべていなくなり、現在は効力を有していない戸籍です。効力は有していませんが、「除籍」というスタンプが押され、公簿として役所に保管されています。
三つ目は「改製原戸籍」です。「かいせいげんこせき」または「かいせいはらこせき」と読みます。単に「はらこせき」と読んで現戸籍と区別することもよくあります。
戸籍は、戸籍法が改正されると、新しく作り替えられます。次回、詳しく説明しますが、これまで戸籍は何度か改製されてきました。改製されると、改製前の戸籍が「改製原戸籍」となり、効力は有しませんが「改製原戸籍」というスタンプが押され、役所にやはり保管されます。
簡単にまとめると、戸籍には、現在の戸籍(現戸籍)、古い戸籍(除籍)、法律改正による古い戸籍(改製原戸籍)の3タイプがあると覚えておいてください。のちに実際に戸籍をたどる上で「これは何戸籍か?」という視点が必要になります。
戸籍を理解するための専門用語とは?
また、戸籍にはさまざまな専門用語があります。しかし、家系図を作成するために必要となる用語はそれほど多くはありません。下記の用語を覚えておけば十分です。
【図表1】戸籍の3つの形態
【図表2】知っておきたい戸籍用語