密かなブームにもなっている家系図づくり。一方で、専門家に制作を頼むとなると、金銭面などで不安を覚える方は少なくありません。しかし、基本さえ押さえれば、家系図は自分でつることができます。本連載は、行政書士の橋本雅幸先生の著書、『江戸時代の先祖と出会 自分でつくれる200年家系図』(旬報社)の中から一部を抜粋し、家系図をつくるうえでもっとも重要となる「戸籍」についての基礎知識をお伝えします。

家系図を作る上で最も信頼できるツール

戸籍とは、日本国民である私たちの身分を公に証明するものです。記載されている事柄は、出生、親子関係、養子関係、婚姻関係、離婚、死亡など、ひとりの人間の出生から死にいたるまでの身分上の重要事項が記されています。また、戸籍は親子や兄弟の間柄を公に証明する公簿でもあります。遺産相続などに必要となるのはそのためです。

 

戸籍を取り寄せたことがある方も多いと思いますが、現在の戸籍は下のようなスタイルで統一されています。これは「平成六年式戸籍」と呼ばれています。現代は生まれたときは親の戸籍に入りますが、結婚すると夫婦で新しい戸籍に入ることになります。また、そのあとに本籍地を移して新戸籍を作ること(転籍)も自由です。

 

[図表]平成六年式戸籍

戸籍の冒頭に書かれているのが本籍と 筆頭者(この場合、江戸憲太)。続いて 「戸籍に記載されている者」として夫、妻 (若菜)、子ども(憲一)の出生日、続柄 などについて記される。

戸籍に記されているのは本籍地のみ、現住所や当然ながら職業などの個人情報は書かれません。また、一番上に記されている人を筆頭者と呼びます(上の場合は江戸憲太)。夫婦は婚姻届を出す際、夫か妻のどちらの名字を名乗るかを合意のうえ決めます。そして、婚姻前からその名字を名乗っていた人が自動的に筆頭者となります。

家系図づくりが目的であれば、先祖の戸籍も申請可能

公簿である戸籍は役所において一定期間保存する義務があり、家系図作成を目的とすれば、自分自身のものだけでなく、先祖の戸籍も取り寄せることができます。

 

家系図を作る手法はさまざまありますが、戸籍ほど便利で信頼のおけるものはありません。役所の書類なので一見、とっつきづらいようにも見えますが、ポイントさえおさえれば初心者でも読めます。

 

戸籍とは先祖をさかのぼるための〝旅の切符〟であるともいえます。ぜひ読み解くコツを身につけ、ルーツ探しの旅にでかけましょう

 

 +α  本籍地はどこでも置ける

日本で最も多い本籍地は、東京都千代田区千代田一番地といわれます。じつはここは皇居の所在地です。最近では、千葉県浦安市舞浜一番地一を本籍にする人もふえています。そうです、ここは東京ディズニーランドの所在地。現行法では、本籍地は国内で番地があるところならどこでも自由に決めることができます。

江戸時代の先祖と出会う 自分でつくれる200年家系図

江戸時代の先祖と出会う 自分でつくれる200年家系図

橋本 雅幸

旬報社

江戸の先祖から続く200年家系図を作ってみませんか? 大きな活字で読みやすく、イラストや図版も豊富。架空の江戸家8代200年にわたる戸籍をさかのぼりながら解説します。出版社のHPより実物大の戸籍がダウンロード可能。手…

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