改正された年によって「○○年式」と呼称
みなさんが家系図を作成するために先祖の戸籍を取り寄せていくと、いくつかの書式スタイルを目にすることになります。それが下に挙げた五つの戸籍です。
近代の戸籍のもとになっているのは、明治五年に制定された戸籍制度です。それから現代まで一五〇年近くにわたって、世界でも類を見ない戸籍制度が発展してきたわけですが、その間、法律の改正に伴い、戸籍の様式も何度か変更されてきました。一般的には改正された年代をとって、下記のように呼ばれています。戸籍自体には◯◯年式という記載はありませんが、様式がそれぞれ異なっているので慣れてくると年式もわかるようになります。
そもそも家を単位とした戦前の戸籍(明治一九年式、明治三一年式、大正四年式)と夫婦を単位とした戦後の戸籍(昭和二三年式、平成六年式)は項目が違いますし、長い間縦書き・手書きだった戸籍が、平成六年式からはコンピュータ化されて横書きになるなど、見た目に大きな変化もあります。
しかし、日本の戸籍は戦前戦後を通じて、新旧の戸籍のつながりがしっかりとなされているのが特長です。そのため、現代の私たちでも、一連の戸籍を途切れなく読み解いていけば、江戸時代の先祖までさかのぼることができるのです。
もっとも古い戸籍は明治一九年式
いま、私たちが取得できるもっとも古い戸籍は明治一九年式です。ぜひこの戸籍までさかのぼり、江戸時代を生きたご先祖様と出会ってみてください。
①平成6年式
現在使用されている最新の様式
横書きで算用数字を使用。従来の紙媒体に替わって、データ化されている。夫婦と未婚の子をひとつの単位として編製。「現在事項証明書」とも呼ばれている。
②昭和23年式
戦後の新憲法下で誕生した戸籍
記載様式は平成6年式とほぼ共通だが書式は縦書き。夫婦と未婚の子をひとつの単位として編製。タイプライターか手書きのいずれかで作成されている。
③大正4年式
「家」を単位とする戦前最後の様式
戸主を中心とした家単位の戸籍。戸主が冒頭に記載され、一通に子や孫など一族全員が記されているものもある。手書きで記され、筆文字やくずし字も多い。
④明治31年式
戸主となった理由を記載している
家単位で記載事項は大正4年式とほぼ同じ。「戸主ト爲リタル原因及ビ年月日」という欄があるのが明治31年式の大きな特徴だ。
⑤明治19年式
取得できるもっとも古い様式の戸籍
入手できる最も古い戸籍。現在は150年間の保管義務があるが、かつては80年保管すればよかったため、すでに廃棄した役所もある。