投資の大原則[第2版]人生を豊かにするためのヒント

著:バートン・マルキール、チャールズ・エリス
訳:鹿毛雄二+鹿毛房子/日本経済新聞出版
投資初心者ほど「時間」を味方につけるべき
投資を始めたばかりの人は、「どの銘柄を買えばいいのか?」に意識が向きがちです。でも、この本を読むと、それ以上に大切なのは「どれだけ長く運用を続けられるか」だとわかります。
本書で特に重要なテーマになっているのが、「複利」の力です。
利益を再投資しながら時間をかけて運用することで、資産が雪だるま式に増えていく。この考え方は投資の基本中の基本ですが、初心者ほど軽視しやすい部分でもあります。
本書では、難しい専門用語を並べるのではなく、「なぜ早く始めることが重要なのか」を非常にわかりやすく説明しています。
個人的にも、「投資は才能より継続が重要」ということを改めて実感させられる内容でした。
インデックス投資は“最適解に近い”
この本では、一貫して低コストのインデックスファンドによる長期投資が推奨されています。
インデックスファンドとは、市場全体に広く分散投資できる商品です。個別企業を細かく分析しなくても、市場全体の成長を取り込めるのが特徴です。
投資の世界では、「市場平均に勝ち続けること」は想像以上に難しいと言われています。本書でも、高い手数料を払いながら運用成績で勝ち続ける難しさについて触れられています。
だからこそ、多くの人にとっては、
・分散
・低コスト
を徹底するインデックス投資が合理的な選択になるわけです。
新NISAで積立投資を始めた人にとっては、「なぜインデックス投資が支持されているのか」を理解するうえで、かなり役立つ内容だと思います。
積立投資は魔法ではなく、ストレスを減らす“保険”
投資初心者が必ず悩むのが、「いつ買えばいいのか問題」です。
株価が上がれば「今は高すぎるのでは?」と感じるし、下がれば「もっと下がるかもしれない」と不安になる。これは誰でもそうです。
本書では、その対策として積立投資の考え方も紹介されています。
もちろん、一括投資のほうが有利になるケースもあります。ただ、現実問題として、多くの人は大きな金額を一気に投資するのが怖いんですよね。
その点、毎月一定額を積み立てる方法なら、「買うタイミング」を考えすぎなくて済みます。
個人的にも、積立投資の最大のメリットは、「精神的なストレスを減らせること」だと思っています。
投資は、続けられなければ意味がありません。本書は、その“続ける仕組み”の重要性を教えてくれます。
分散投資で重要な「株」と「債券」の割合
初心者は、どうしても「おすすめ銘柄」に目が行きます。
でも、本書を読むと、本当に重要なのは「資産全体をどう組み合わせるか」だとわかります。
本書では、株式だけではなく、債券を組み合わせた資産配分についても解説されています。
若い世代は比較的リスクを取りやすい一方、年齢が上がるにつれて安定性も重要になる。そうした考え方をベースに、年代ごとの資産配分のイメージも紹介されています。
また、時間が経つと資産配分は自然に崩れていくため、定期的に調整する「リバランス」の重要性にも触れられています。
投資初心者にとっては、「商品選び」だけではなく、「全体設計」という視点を持てるのが、この本の大きな価値だと思います。
“守り”はインデックス、“楽しみ”は個別株
この本が面白いのは、「インデックス投資だけやっていればいい」と極端に言い切っていないところです。著者たち自身も、一部では個別株投資をしています。
ただし、老後資金のような“守るべきお金”については、インデックスファンド中心で堅実に運用する。そして、個別株はあくまで余剰資金で楽しむ――。そういうスタンスなんですね。
これは個人的にもかなり共感できます。投資を長く続けるには、「合理性」だけでなく、「楽しさ」も大事だからです。
だからこそ、
趣味や興味は個別株
という考え方は、多くの人に合っている気がします。
新NISA時代の“最初の一冊”としておすすめ
『投資の大原則[第2版]人生を豊かにするためのヒント』は、約200ページと比較的コンパクトながら、長期投資・分散投資・低コスト運用といった資産形成の基本が整理された一冊です。
特に、
・投資信託がよくわからない
・個別株よりまず基礎を学びたい
・長期投資の考え方を知りたい
という人に向いています。
投資にはさまざまな手法がありますが、本書は「まず土台となる考え方を身につける」ための入門書として、多くの初心者に役立つ内容といえるでしょう。
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