実家暮らしは、いまや合理的な選択
総務省統計局「労働力調査(2024年平均)」によると、35歳から54歳の未婚者のうち、親と同居している人は、全国に約511万人。親にとっては防犯や孤独の解消になり、子どもには貯蓄の余裕が生まれる。この「共生」は、現代における賢いライフスタイルの一つです。
しかし、共生期間が長いほど、解消した時の反動は大きくなります。まり子さんのように45年も娘と密接に関わってきた親にとって、その不在は単なる寂しさを超えて、強烈な虚脱感をもたらすことも少なくありません。
株式会社はぐくみプラスが実施した「子どもが実家を離れる経験をしたお母さん限定のアンケート(2024年)」では、子どもが巣立った後に感じる心境は「寂しい」(63票)が最多。次いで「心配だ」(54票)、「ほっとした」(32票)と続き、また、48.2%の母親が子どもの巣立ち後に何らかの不調を感じていました。
まり子さんの体調不良も、娘の不在という環境の変化、そして、唯一の同居者となった夫に対するストレスが原因の、いわゆる「夫源病(ふげんびょう)」かもしれません。娘がいなくなり、夫の態度や無関心がダイレクトにまり子さんを追い詰めたのです。
子どもが自立を望めば、快く送り出す
しかし、子どもが自立を望んでいるなら、快く送り出すのが親としての役目です。これから続く長い老後を地獄にしないためには、娘を呼び戻すのではなく「夫との関係の再構築」が必要です。
家事のルール化や、家庭外に自分の居場所を作ること。すぐには無理でも、少しずつ「娘がいない家」に慣れていくしかありません。
「親が娘の生活を支えていると思ったら、私たちが支えてもらっていたことに気づきました。でも、子離れしなきゃなりませんね」
自立した娘の幸せを願う覚悟が、巡り巡ってまり子さん自身の新しい老後を切り拓く一歩となるはずです。
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