膨らむ「孫マネー」と削られる体力
さらに、滞在日数が長ければ長いほど、深刻になるのが「孫マネー」の問題です。
「せっかく来たんだから」と、妻が奮発して買い込む食材、外食。さらにショッピングモールやレジャー施設への同行。年末年始も5日ほど帰省しに来ており、その時も10万円ほどが消えていきました。
物価高で、その負担は右肩上がりで増しているとのこと。外食の際も、当然のようにこちらに伝票が回ってくる「暗黙の了解」に、じわりと胃が痛むのです。
ソニー生命の「シニアの生活意識調査2025」では、この1年間で孫のための出費をしたシニアに「孫のために使った金額」を聞いた結果、平均額は11万3,074円となりました。昨年の調査結果と比較すると、平均額は8,357円増加です。
一番のボリュームゾーンは「5万円~10万円未満(20.8%)」ですが、年間50万円以上使っている人も3.9%いるという結果でした。
「うちは孫が2人だけ。だから、『これぐらいは』と思ってしまうところもありました。ですが、こんなにマメに、しかも長期間来なくても……」
それが和夫さんの本音です。
息子夫婦は「実家なら食費も浮くし、親も喜ぶだろう」と親孝行のつもりでいるようです。もちろん、その側面もあるのですが、お金と体力が削られるのも、また事実でした。
家計を預かる節子さんは、笑顔の裏で家計簿を睨み、夜にはぐったりと横になっています。そんな妻の苦労を間近で見ているからこそ、和夫さんは「理想のじぃじ」を演じ続けることに、限界を感じ始めていました。

