吉野家HD会長「わたしの直部下はなかなか昇格させない」…周囲から「いい加減上げてやれ」と声が上がるまで待つ、深い意図

吉野家HD会長「わたしの直部下はなかなか昇格させない」…周囲から「いい加減上げてやれ」と声が上がるまで待つ、深い意図
(※写真はイメージです/PIXTA)

社員のモチベーションに直結する「報酬」。部下の立場からすれば、早く昇進してより多くの報酬を得ることが、働くうえでの大きな励みになります。しかし、吉野家HD会長の河村泰貴氏は社長時代、部下の昇格にあたって熟慮を重ね、「早すぎる昇格」を避けていたといいます。その背景には、教育を重視し、組織を長期的に育てていく“哲学”がありました――。同氏の著書『自分以外のすべてがわが師 高卒バイトが2000億円企業の社長になれたわけ』(日経BP)より、昇格を判断する際の「評価軸」をみていきましょう。

明治維新以降の日本から学ぶ「成長する組織」の共通点

もちろん今は、組織全体に対してもそう考えています。教育費>直接人件費という優先順位です。

 

アジア初のノーベル経済学賞を受賞した、インド人経済学者のアマルティア・セン氏は、自国が貧困から抜け出すためのヒントを得ようと、日本の明治維新以降の歴史を研究したそうです。

 

そこで彼が結論づけたのは、多くの途上国では、親は子どもがまだ小さなうちから働き手として使ってしまうが、日本はそうではなかった。家族が貧しくとも、最低限の教育を受けさせるという文化が、江戸時代から続いていたことが、明治以降の日本の発展を支えたというものでした。

 

限られた量しかない食べ物を、今食べてしまえば、そのときはお腹いっぱいになるかもしれませんが、明日食べるものがなくなってしまいます。それよりも、今日ひもじい思いをしてでも、より多くの実りを生むための種として植えるほうが、未来への希望につながりますよね。組織も、そこで働く人も、「今」ではなくて「未来」に大きな希望が持てるようにすること、それを最も重視するようにしています。

 

さらに言うと、元GEのジャック・ウェルチ氏が説く、「将来、その役職以上の仕事が期待できない人をその職位につけるべきではない」という考え方にも、大いに共感します。長い目で見て、それがその人にとって本当に良いことなのかどうか。

 

社長が行う人事は、その対象者だけではなく、多くの人の人生を左右する決断です。熟慮に熟慮を重ねるのは当然です。何度も何度も考えて、相談すべき方にも相談し、決定するようにしていました。

 

 

河村 泰貴

吉野家ホールディングス

会長

 

 

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※本連載は、河村泰貴氏の著書『自分以外のすべてがわが師 高卒バイトが2000億円企業の社長になれたわけ』(日経BP)より一部を抜粋・再編集したものです。

自分以外のすべてがわが師 高卒バイトが2000億円企業の社長になれたわけ

自分以外のすべてがわが師 高卒バイトが2000億円企業の社長になれたわけ

河村 泰貴

日経BP

「頑張れば夢はかなうなんて嘘だ」。10代半ばで味わった挫折から、将来への希望を失い、大学を二度中退した「どうしようもない若者」だった著者。しかし、24歳で𠮷野家に正社員として入社してから急速に頭角を現し、38歳でうど…

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