「褒める」社会になったが…心を動かす「褒め方」とは
かつて当社の組織には、褒めるという文化はほとんどありませんでした。店長時代に上司に褒めてもらった記憶はあまりありませんが、厳しく接していただいたおかげで鍛えていただいたと感謝しています。
時代は変わって、今はどちらかというと、叱ることより褒めることのほうが奨励されることが多いのではないでしょうか。しかし、この褒めるという行為、なかなか難しいですよね。皆さんはどんなことに気をつけて褒めていますか? 逆に、どんなふうに褒められたらうれしいですか?
わたしは、褒められることがあまり好きではありません。人間が素直じゃないからかもしれませんが、ほとんどがいわゆる「おべんちゃら」や社交辞令なのではないかと感じてしまうからです。
社長や会長という役割からすれば、わたしへの賛辞の多くは、実際にそうだと思いますが、ときとして、心からうれしく感じることがあります。それは、事実に基づいて、その方の率直な感情とともに伝えてもらったときです。
例えば、「昨日A店を利用したら、従業員のBさんがとても素敵な笑顔で接客してくれて元気をもらいました」というお言葉をいただいたときや、「あなたのお話のここがこういうふうにためになりました」と具体的な謝辞をいただいたときです。
褒めるときは具体的に褒める。これが効き目のある褒め方ではないでしょうか。さらに言うと、行為そのものだけを褒められることよりも、その行為の根っこにある価値観や考え方までが含まれていると、なおのことうれしいです。
前述の例で言えば、「Bさんはお客様に喜んでもらいたいという気持ちがあふれていました」とか、「Bさんのような方を育成できるこの会社の教育方針は素晴らしいですね」とか、「あなたの話そのものもためになったが、話しぶりから本当に人を大切にしているんだなということが伝わりました」などです。
なので、自分が褒めるときにもできるだけ具体的に、可能であればその背景まで含めて、褒めるように意識しています(言うほど簡単ではないですが……)。
上司や目上の人が好印象を抱く「褒め方」
これは、部下や目下の人を相手にしたときだけではありません。例えば、セミナーなどを受講して、講師の先生に謝辞を伝えるメールを送る際などにも応用可能です。ただ単に、「ありがとうございました」「勉強になりました」とだけ伝えても相手には何の印象も残りません。
わたしもときとして、そのようなメールをいただいたりすることがありますが、「勉強になりました」とだけ書かれている場合は、社交辞令と受け止めることが多いです。具体的に、どんな気づきがあったのかが書かれていると、受け取る側の印象が全く違います。相手に強い印象を残すことができれば、次にお目にかかったときに自分のことを覚えていてくれたりします。
ただ何となく漫然と褒めるだけではあまり効果はありません。「より具体的に」を意識してみてください。

