75歳の夫婦は、限られた収入のなかで家計をやりくりしながら、堅実に老後を暮らしてきました。ところが、遊びに来た小学3年生の孫が口にしたひと言に、夫婦は言葉を失います。そこに浮かび上がったのは、“祖父母どうしの経済格差”という、見過ごせない現実でした。

本当の貧しさとは「見栄を張って迷惑をかけること」

ソニー生命保険株式会社「シニアの生活意識調査2025」によると、直近1年間に孫のために使った金額の平均は約11万3,000円。1ヵ月あたり約9,400円です。

 

また、祖父母が子や孫の生活費を負担しているケースも少なくありません。内閣府「令和6年度 高齢社会対策総合調査」では、「同居・別居を問わず、子や孫(その配偶者・パートナーを含む)の生活費を負担していますか」との問いに対し、「ほとんど負担している」が6.6%、「一部を負担している」が18.6%。高齢者のおよそ4人に1人が、程度の差こそあれ、子や孫の生活費を支えていることになります。

 

孫を思う気持ちから、財布のひもが緩む祖父母は少なくありません。ただし、父方の祖父母と母方の祖父母、それぞれに資産や環境の違いがあります。「祖父母間格差」を気にして無理をしてしまうと、最終的に困るのは自分たちです。

 

だからこそ、相手側に合わせるのではなく、“我が家のルール”で孫にかける予算を決めるのが鉄則です。

 

孫が多いのであれば、「お年玉は一律〇〇円」「誕生日は〇〇円」とルール化し、例外を作らない。物理的なお金ではなく、思い出や体験にシフトする方法も。「おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に遊んだ」「いつも美味しい料理を作ってくれた」……成長して孫の記憶に残るのは、お金だけではありません。

 

また、孫の言葉の背景には、親が祖父母を比較する会話を家でしている可能性もあります。自分の子世代に対して、スタンスを伝えるのも一案です。

 

「うちは孫が6人いるから、不公平がないように考えている。老後の自立を優先することが、結果的にあなたたちへの負担を減らすでもあるから」――と。

 

本当の貧しさは、見栄を張って貯蓄を使い果たし、子どもや孫に金銭的な援助を頼らざるを得なくなる状態です。自分たちの生活を守り抜く姿勢こそ、あるべき「お金との付き合い方」といえるでしょう。

 

 

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