「それはお前が悪い」友人の一言
後日、この出来事を友人に話したダイスケさん。しかし返ってきたのは、厳しい一言でした。
「いや、それはお前が悪いだろ」
さらに、友人はこう続けます。
「うちも共働きだけど、妻は管理職でかなり大変だよ。だから時々、家事代行も頼んでいるし、子供の塾の送り迎えは俺がやってる。お前のところは全部奥さん任せで、残業も思いっきりできて、こうして飲みにも来られてるんだろ?」
そして最後に、こう付け加えました。
「少しは感謝したほうがいいと思うぞ。しかもミカさんはもともと仕事が好きなタイプだっただろ。本当にいつか捨てられるかもな」
その言葉に、ダイスケさんは何も言い返せませんでした。
女性活躍が進まない理由の一つに「家事・育児の負担」
2023年に内閣府男女共同参画局がまとめた調査によると、2022年の就業者数は女性が3,024万人、男性が3,699万人でした。女性の就業者数は、2012年からの10年間で約370万人増加しています。
かつては、出産・育児期に女性の就業率が大きく低下する「M字カーブ」が指摘されてきましたが、近年はその傾向が緩やかになりつつあります。
一方で、女性の年齢階級別の正規雇用比率は、25~29歳の59.7%をピークに低下し、30代・40代では非正規雇用の割合が高くなる傾向が見られます。
同資料では、「出産を機に退職したり働き方を変えたりしたあと、育児期を経て非正規雇用として就業するケースが多い」と指摘。また、女性の8割以上、男性の7~8割が「家事・育児などが女性に集中していること」が、職業生活における女性の活躍が進まない理由の一つだと考えている、としています。
お金で評価されない労働を担ってきた妻
ダイスケさんの家庭は、収入だけを見れば決して低い水準ではありません。
しかし今回の出来事で浮き彫りになったのは、「収入」では見えない負担でした。
家事、育児、学校対応、日々の生活管理、そして厄介なダイスケさんの義実家とのやりとり。ミカさんはこれらを一人で担い続けてきました。
しばらくの沈黙のあと、ミカさんは静かに言いました。
「息子も小4だし、中学受験にも興味があるみたいなの。私も紹介予定派遣で働こうと思っている。そうなったら、あなたにも家事をお願いすることになると思う」
少し前のダイスケさんであれば、この言葉を受け流していたかもしれません。
しかし今回は違いました。
「今まで、君の負担も君がどうしたいかもちゃんと聞いてこなかった。悪かったと思っている。これからは、一緒に話し合って決めていきたい」
その言葉に、ミカさんはすぐに答えませんでした。しかし、これまでとは違う“会話”が始まったことだけは確かでした。
[参考資料]
内閣府男女共同参画局「女性活躍・男女共同参画 に関する現状と課題」
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