「ゴミだと思って捨てちゃったわ」…年金月23万円・66歳妻が押し入れ奥の“カビ臭い段ボール”を廃棄。良かれと思った〈生前整理〉が、夫婦の信頼を壊したワケ

「ゴミだと思って捨てちゃったわ」…年金月23万円・66歳妻が押し入れ奥の“カビ臭い段ボール”を廃棄。良かれと思った〈生前整理〉が、夫婦の信頼を壊したワケ

「これ、もういらないよね」――そんな判断が、夫婦関係に思わぬ亀裂を生むことがあります。断捨離や生前整理のように、「不要なものを手放す」こと自体は決して悪いことではありません。しかし、その“不要”の基準は、必ずしも共有されているとは限らないのです。良かれと思って進めた片付けが、取り返しのつかない後悔につながることも。事例から、夫婦間で見落とされがちな「最低限のマナー」について考えます。

「大切にしているものを勝手に捨てた」で離婚も

生前整理や断捨離は、いまや当たり前のように勧められています。物を減らし、身軽に暮らす。理屈としては正しいでしょう。しかし、その裏側にある「何を捨てるか」という選択は思っている以上に難しいものです。

 

自分にとっては不要でも、相手にとっては取り替えのきかないものかもしれない。それは、見た目では判断できません。

 

これは、何も生前整理に限りません。実際、こうした“些細に見える出来事”が、関係に大きな影響を及ぼすことも。「夫(妻)が大切にしているものを勝手に捨てた」という理由で、離婚に発展するケースもあるのです。

 

厚生労働省の「人口動態統計月報年計(概数)の概況」によれば、令和6年の離婚件数は18万5,895組(前年より2,081組増)。このうち婚姻期間20年以上の熟年離婚は4万686組(前年より876組増)で、全体の約2割を占めています。

 

離婚の理由はさまざまですが、小さなすれ違いや不満が関係を蝕むケースも少なくありません。その中には、和枝さん・浩二さん夫婦のような「相手のものをどう扱うか」という問題も含まれるでしょう。

 

周囲から見れば「そんなことで?」と思うような出来事かもしれません。しかし、たった一度の出来事が、これまで積み重ねてきた夫婦の信頼を揺るがしている。「取り返しのつかないことをしたんだ」と、和枝さんは強く感じているといいます。

 

片付ける際には、必ず持ち主に聞くこと。そして、相手が手放せない理由があるならば、そのまま受け止めること。遠回りに見えても、それが一番安全です。「捨てる前に、ひと言」……たったそれだけで防げたはずの修羅場は少なくありません。

 

急がず、一人で決めない。夫婦であっても最低限のマナーを守る。その意識があるかどうかで、“後悔のある整理”になるか、“納得できる整理”になるかは、大きく分かれるのです。

 

 

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