「空席あるのにダメ?」コーヒー1杯600円で2時間、退店を促された大学生
「混んでるならまだしも、空いていたんです。それなのに厳しいなって思いました」
そう話すのは、都内の大学に通うBさん(18歳・仮名)。テスト勉強のために喫茶店に入りました。時刻は平日の15時。店内は席の半分ほどが空いていたといいます。
チェーンではなく個人経営のお店。Bさんは初めて訪れ、1杯600円のコーヒーを注文。参考書を広げました。15分ほどで飲み終わっていたといいます。
集中していたら2時間ほどたっていましたが、店内にはまだ空席があります。すると、店員から声をかけられました。
「追加のご注文か、ご退店をお願いできますか?」
Bさんは釈然としない思いで店を後にしたといいます。
「学生にとって、1杯600円の飲み物代は決して安くない出費です。追加注文はとてもできません。しかも、店内は空いていたので、思わずムっとしてしまいました。光熱費や人件費も、私がいようがいまいが変わらないと思うのですが……」
1杯の滞在時間、“常識の範囲内”は?
Bさんのような経験は、しばしばネット上などでも議論になります。
たとえば、「空席があるなら、柔軟に対応してファン(リピーター)を増やす方が店にとってもプラスでは?」など、場所代もサービスのうちという意見。
一方で、「空いているからといって長時間占有するのは、光熱費や人件費を考えれば店側の赤字になりかねない」など、“店はボランティアではない”という意見も少なくありません。
では実際、どれぐらいの滞在時間が“常識の範囲内”と考えられているのでしょうか。
たとえば、「こども教材プラス」(運営:株式会社SUNCORE)が実施した「1杯のドリンクで許容できる滞在時間」(スターバックスを月1回以上利用する100名を対象)を聞いた結果、「1時間まで」が34%で最多、続いて1時間30分(23%)まで、2時間まで(21%)と続いています。
一方で、大学生協連の「第61回学生生活実態調査(2025年発表)」によると、物価高の影響で食費が増加する一方、書籍代(勉強に使う本代)が調査開始以来初めて1,000円を割り込むという結果が出ています。勉強するための資料代すら削っている状況で、金銭的な余裕がないことも事実です。
「それなら、安いチェーン店に行けばいい」
そんな声もあるでしょう。実際、コストを最優先するなら他にも選択肢はあるはずです。しかし、Bさんはこうこぼします。
「チェーン店は混雑して座れないことが多く、ガヤガヤしていて集中できないんです。少し割高でも払ってでも『静かな環境』を買ったつもりだったのですが……」
「空いている時くらい」が通らない店側の事情も
一方で、店側には「空いている時くらい」という温情をかけられない切実な事情もあります。それは、一度でも例外を認めると、店のルールが形骸化してしまうというリスクです。
「空いている時は粘ってもいい」という曖昧な運用にしてしまうと、後から混んできた際に声をかけたとき、「さっきは良かったのに、なぜ今はダメなんだ」というトラブルに発展しかねません。
また、SNSなどで「あの店はコーヒー1杯で何時間でも居座れる」といった書き込みが広がれば、本来ターゲットとしていた食事や会話を楽しみに来る客層が離れ、店内の空気感そのものが変わってしまう恐れもあります。
経営の視点に立てば、例外を作らないことは、店全体のブランドや秩序を守るための、避けて通れない防衛策といえるのかもしれません。
「空いているならいいじゃないか」という客側の心理と、「空いていてもルールはルール」という店側。1杯のコーヒーが提供する価値のあり方をどう捉えるかは、それぞれの立場や置かれた状況によって変わるのかもしれません。
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