高市政権が掲げる「積極財政」に対し、世間からは財政悪化を懸念する声が絶えません。しかし、国の税収が過去最高の80兆円を超える見通しとなるなか、著者は「かなりの確度で大丈夫だ」と語ります。本記事では、広木隆氏の著書『株はずっと上がるもの 誰も書けなかった株式投資の真実』(日経BP)から一部編集・抜粋し、「責任ある積極財政」をスローガンに掲げる高市政権の経済戦略方針について解説します。
従来の「PB黒字化目標」を見直しへ…投資家が評価する、高市政権の“既定路線”
こうしたなか、基礎的財政収支(PB)について見直す考えを高市さんは提示しました。従来の「単年度ごとのPB黒字化目標」を見直し、数年単位で財政収支のバランスを確認する考えを示しています。
これは、単年度のみを目標とすることがG7では例外的であるとの認識から来ています。財政制度等審議会の報告にも、単年度PB黒字化の達成状況を単独で見るのではなく、より広い期間でバランスを検証する方向への転換が記載されています。
PBを複数年度でとらえていくことには、いわゆる「財政健全派」の人たちを中心に批判もありますが、僕はよいことだと考えています。
企業の財政状態の開示についても四半期ごとに行うのはショートターミズム(短期主義)につながるのでよろしくないという意見があるくらいです。
投資家は企業の業績評価を単年度でもチェックしますが、過去からのトレンドや継続性、中長期の経営計画なども併せて評価します。国の財政状況も同じでしょう。
片山さつき財務相は「PBは補正予算編成前では今年、来年でおそらくプラマイゼロになっていく。そこではなくて債務残高をどう見るかだ」と述べました。この方針は既定路線になっていくでしょう。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト
1963年東京生まれ。上智大学外国語学部卒業。神戸大学大学院・経済学研究科・博士後期課程修了。
博士(経済学)。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、社会構想大学院大学教授。
大手証券会社、銀行系投資顧問、外資系運用会社など様々な金融機関でファンドマネージャー、ストラテジスト等を歴任。40年にわたって証券市場の最前線で働く。
好きな言葉はロベルト・バッジョの「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気のある者だけだ」。予想を外すかもしれない不安と戦いながら、今日もマーケットという名のピッチに立ち続ける。
テレビ・ラジオのコメンテーターとしてメディアで活躍するほか、著書、論文、寄稿など多数。
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