不況時に所有物件を増やすのが資産家!?
資産が50億円を越える辺りから、担当者ではなく、企業のトップと直接取引を行う割合が増していきます。
資産家は資産家同士で情報交換して、一般的な不動産業者とは一線を画すわけです。要は情報が漏れないうちに移転登記が終わってしまうということ。誰も知らないうちに重要拠点の所有者が変わっているということもあるのです。
不況期に大型物件が格安でどんどん処分されていきました。融資が止まるようなケースだと処分に困る物件も出てくるので、一部は投売り状態ということもあるわけです。このような時期に資産家は、さらに所有物件を増やすことになります。
ここまで来ると過去を振り返り、苦労して手に入れたアパートを優良物件に切り替えていくことも必要になってきます。利回りがよく、そのままでも十分将来的に問題を生じないと思えば、あえて触る必要はないのですが、人間の欲は留まることを知らないのです。
食べきれないほどの食料を備蓄していても、さらに増やそうとする、これは「本能」ということかもしれません。
鉄道会社が作る「駅」が不動産市場を形成
市場の形成を計るには、如何に大きな面積を取得するかにかかってきます。需要を作り出す、その典型的な例として鉄道会社が路線を延ばすと同時に急行が停まる駅ごとに宅地分譲をしてきた実績があります。日本中の鉄道会社が不動産事業を手がけているのはそのような理由からです。
100キロの鉄道を敷いていくのに幅15メートル程度の土地が必要です。坪100円程度で購入していくのですが、投資金額は個人で揃えられる額ではありません。政治力と資金力、銀行が束になって融資をするわけですが、その見返りは莫大な金額となります。
例えば、急行停車駅毎に千世帯分の戸建て分譲地を作るとすれば坪単価は当時の給与所得を家賃の30年分で割ったものとなり、坪10円から始まる山の土地が万単位で売却可能となります。
駅前は、現在でも商業地域に該当するので地価は上昇していきます。
巨額な資金(投資)は巨額な見返りとともに返ってくるのですが、個人できる価格制御は知れたものです。但し、財閥と互角の勝負が出来る案件といえば、急所を押さえた不動産となるわけです。所有権があれば法治国家である以上、簡単にその権利を奪うことは出来ません。