今回は、「相場」を作る側になった不動産業者の事例を見ていきます。※本連載では、株式会社OKAMURAの代表取締役・岡村恭資氏の著書『続・なりたい人だけが資産家になれる 企業経営者を目指すな! 個人企業家を目指せ!』(風詠社)の中から一部を抜粋し、不動産投資で大きな利益を得るためのノウハウを紹介していきます。

「金を持っている」という態度をとるのは、愚の骨頂

勘違いしてはいけないのが、人の価値は資産だけではないので“金を持ってる”という態度をとるのは、愚の骨頂。銀行担当者も呆れて相手するのを拒むようになってしまったら、それこそ資産家失格です。

 

周囲の人々のおかげでここまでたどり着いたに過ぎないのです。お世話になった人の顔を思い浮かべて感謝していただきたい。

 

“実るほど頭を垂れる稲穂かな”のことわざのように謙虚になることが大切です。

 

個人的な経験をお聞きいただきたい。

 

ある不動産系の事例は面白い体験でありました。昭和50年前期に年間売り上げ100億円の不動産業者です。土地購入から転売益を得ることを生業としていましたが、次第に拡大して無目的に値上がりするかもしれないという土地まで購入するようになりました。

 

値が上がる間は事業をして稼ぐという不動産を売るのが目的か、事業をするのが目的か次第に境界線が見えなくなっていたわけですが、兎に角、購入した土地にファッションホテルを建てまくる、沿線にはパチンコ店舗を建てていったのです。確かにこの手で収益物件に成り上がった土地は購入した金額の数倍で売却できたのです。元はといえば、海中に沈んでいた所有地が埋め立てによって浮上したため、一挙に不動産価値も上昇して使い道のない数百億円の資金が発生したのです。

資金はあればあるほど有効に機能する

つまり、この所有者は数万坪の所有地が価値を持ったために、別の土地を買い捲るということにしたわけです。株でもなく、不動産のみという点が立派です。他に投資していればバブルの恩恵もなく、散在して終わっていたことでしょう。資金はあればあるほど有効に機能するという見本と言えるでしょう。

 

自分で不動産という代物の価格を形成(操作)することが出来るわけです。1970年当時に政府が公示価格を公表していたかどうか記憶にないのですが、その法人は地場で有名な地価データの出版物を発行する企業を使って、自社が購入した土地の周辺価格を売却したい価格に書き換えるということもやっていたようです。その出版物は、銀行や不動産業者の土地の価格査定に重要な参考書として重宝されていたようです。

 

坪20万円の商業地が60万円で取引されたと記載されていれば、その周辺はその情報によって動くということです。価格(相場)を作る側になるのか、その情報を持って商売するほうになるのかは自由ですが選択肢としては実に面白いと思います。

続・なりたい人だけが資産家になれる―企業経営者を目指すな!個人企業家を目指せ!

続・なりたい人だけが資産家になれる―企業経営者を目指すな!個人企業家を目指せ!

岡村 恭資

風詠社

手持ち資金0円から資産家生活へ! “なりたいシリーズ”待望の第2弾! 不動産を動かすだけで思うがままに資産を増やすノウハウとは…。

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